紅蓮
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所がファーヴニルに押し潰されてしまう。RAYが使えなくなって力づくで止められなくなった以上、角の破壊などの要因でひるませる事で進軍を喰い止めるほかない。
「チッ、あれだけミサイルを受けて、尚まだ砕けないのか……ッ!」
ひたすら高周波ブレードの暗黒剣を何度も何度も振るい続け、角がほんの少しずつ欠けていくのが見えているのに、それでもまだ完全にへし折れず、角は未だにその機能を保っていた。しかし……戦士としての勘が培った眼が、一瞬だけ致命的な一撃を与えられる点穴を見つけた。本能的に俺はその一点……ヒビが波紋のように広がる中心に向かって、“地精刀気―轟―”を放つ!
GYAAAAAA!!!!?
「――――ん? これは……!」
暗黒剣を突き刺した瞬間、俺の中に流れる月光仔の血が反応して“何か”が伝わってきた。咄嗟の判断でその“何か”を理解した直後、神経を集中させている器官に直接攻撃が届いたためか、ファーヴニルが激しい苦痛を訴えるように暴れ出した。シュテル達が必死にバインド系の魔法を使って動きを抑えようとする中、ファーヴニルは周囲の建物を薙ぎ倒しながら俺を振り落とそうと大きく首を動かす。地面に激突したり、ビルの壁にぶつかったりして、激しく揺さぶられながらもオーラの腕を支えに踏ん張って耐えるが、角が発光して衝撃波が発せられた際、あまりの反発力で剣が抜け、俺の身体も弾き飛ばされてしまった。
「紅蓮よ、宇宙を焦がす炎と変われ! 真・ルシフェリオンブレイカー!!」
「雷光いっせ〜ん! 雷刃封殺爆滅剣!!」
「柴天に吼えよ、我が鼓動、出でよ巨重! ジャガーノート!!」
「永遠結晶……その力をここに! エンシェント・マトリクス!!」
赤レーションでパワーアップしているマテ娘の必殺魔法が一斉に放たれ、ファーヴニルの全身を覆うまでの強大な爆発が発生する。あまりの威力で周囲の建物も吹っ飛ぶが、今それを気にしてる場合じゃない。俺はこのままどこかのビルに突っ込んでガラスの破片で針ねずみになる前に、暗黒転移を発動。傍にあったビル……何の因果かそこはアレクトロ本社であったが、とりあえずそこの屋上へ降り立った。さっきの感覚を思い返した俺は自らの手を見つめ、軽くため息をつく。
「やれやれ……ファーヴニルの本能はこういう性質だったのか。本能的であるが故の弊害、矛盾を孕んでいるな」
「む? そのような所で急に止まるとは、どうしたのだ教主殿?」
「ディアーチェか。何というか……この戦いに少し思う所があってな。実はさっき俺は偶然にもファーヴニルの本意を聞いた。簡単に言えばあの絶対存在は……眠りたがっている」
「眠りたがっている?」
「そうだ。本能的に眠りに着きたいため、あいつは睡眠を妨げる要因を排除しようとする。例えば戦闘
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