紅蓮
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が戦う上で邪魔になってしまうのだ。
一方でこれまで進行を食い止めてきたメタルギアRAYも、ユーリの操縦の腕もあって損傷自体はあまりしていないが、機体を動かすためのOS、ソフトウェアのプログラミング言語が吸収されたせいで今では動かせない。つまりあの機体に頼らず生身で、ファーヴニルの進攻を喰い止めなくてはならない訳である。
ただ幸運(?)にも、言語吸収はかなり体力を消耗する能力らしく、ファーヴニルは疲労困ぱいと言った様子で息切れしていた。これなら短時間ではあるが、進攻される心配はせずに済みそうだ。しかし俺達もまた、これまでの激戦で体力やエナジーなどを大量に消耗している。時間が許す限り、こちらも回復に努める必要があるな。角の破壊が間に合わなかった事で戦意が落ち込んでいるのも考えると、奮起を促すためにここは例の物の出番だろう。
「全員、アレをするぞ。“サバイバルビュアー”!!」
『ッ!? 了解!』
選択するのは、“赤レーション”。普通のレーションは白いパッケージに入っているが、この特別製のレーションは真っ赤な色のパッケージが使われている。なぜ赤なのかと言うと、その中身の辛さを暗に示しているからだ。激辛が真っ赤、中辛が赤寄りのオレンジ、甘口がピンク色と言った様に。そしてもうわかるだろうが、このレーションの中身は……アウターヘブン社で量産のめどが立った俺特製の激辛“麻婆豆腐”である!
『いただきます!』
Eat!
ぽわん。
……ぷはぁ、美味すぎる!
……なんてことは口にしないが、丁度昼頃という事もあって、気力とスタミナの回復の意味も込めて簡易的な昼食を取った。敵を前にして食事してる場合か、というツッコミも尤もだと思うが……俺もジャンゴも世紀末世界ではそれが当たり前だったから、今更訊かれてもという域まで至っている。実際、どんな激戦の間でも、ジャンゴが大量に“太陽の果実”を食べているのを傍目に見た事がある。特に印象的だったのはヘルとの決着の時で、あいつはこぶし大ほどの大きさがある“太陽の実”を凄まじい速度でバカ食いしていた。正直、あれは見てて呆れる程だった。
まあ、早食いの速度ならやれば俺も負けはしないが、いくらエナジーの回復のためだとはいえ……やはり暴食は身体に悪いと思う。あの戦いが終わってイストラカンの太陽樹の所へ向かう最中、緊張が解けたせいなのかジャンゴの奴は途中で腹痛を起こしていた。拾い食いや食い過ぎで、あいつの胃は本人も気付かない内にかなりダメージを負っていたのだ。暗黒城から去る際に念のため持参していた万能薬がこんな所で役に立つとは……と、俺は弟の腹痛を治すために万能薬を渡した陰で軽く頭を抱えていた。その際、おてんこの申し訳なさそうな表情を見て、何とも言えない気持ちになったものだ。
「ハラショー。流石
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