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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第26話 「射撃講座・入門編」
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困りっぱなしだ。とはいえ、センサー・リンクに関しては俺のせいなんだよなぁ。と言うのも、

「センサー・リンクは入れてないぞ。100%格闘戦オンリーの機体にしたかったから、そこら辺は放置してた。」

《白式》が千冬さんに欠陥機と馬鹿に・・・、じゃなかった、指摘された理由の一つである。本来、センサー・リンク機能は近接戦闘主体の機体にも搭載されているはずの基礎機能なのだが、「使わないしいらないよね♪」という製作者側の我儘から射撃に関する全ての機能を除外しているのだ。その代わりに、その分の余力を他の機能向上に使っているのだが。

「・・・え?《白式》って零が開発したの?」
「そうだが。ほら、それより訓練訓練。的の用意できたぞ。」
「え、あ、うん。ありがとう。・・・良いのかな?」

そういえば俺が束さんの関係者ってことはまだ話してなかったっけ。《白式》のことすら知ってたからてっきり知ってるもんだと思い込んでた。まあ後で話す機会はあるだろ。

「一夏、今から5回的が出現するから撃ち抜け。シャルルは後ろからサポートしてやってな。・・・よし、じゃあ始め。」

俺の掛け声と同時に、一夏の目の前に的が出現。一夏が撃ち抜くごとに微妙に位置を変えて動き回る。小気味の良い発砲音と体感したことのない反動にいちいち驚きながら撃つ一夏だが、シャルルのサポートのおかげで全ての的の真ん中付近に命中している。

「どう、一夏?」
「そうだな・・・。とりあえず「速い」って感想だ。」

『ヴェント』をシャルルに返しながら答える一夏。「速い」ね。実に単純明快で適切な感想だ。シャルルも俺も考えることは同じらしい。お互い顔を見合わせたらどうぞと笑顔で言われてしまったので、俺が代表して口を開く。

「その通り。瞬時加速も確かに速いが弾丸と比べたら話にならないんだ。だからお前の軌道が読めれば当てるのなんて簡単だし、外れても直線にしか動けないお前相手なら十分に牽制になるってわけだ。」
「なるほど・・・。」

一夏が納得したように頷く。先程一夏がシャルルに一方的に攻められっぱなしだったのも、セシリアや鈴相手に苦戦したのもこれが原因。瞬時加速は確かに優れた技術だが、それを過信したが故にちょっと速く動く的になってしまっているのだ。

「これがお前の勝てない理由だ。よく覚えておけ。」
「逆に言えば、これさえ克服できれば一夏でも勝てるようになるはずだよ。」
「なるほどなぁ。ありがとな、2人とも。」

さて、一夏も理解してくれたことだし、それを踏まえて訓練を続けるとしよう。そう思った時だった。周囲がざわつき出したのは。
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