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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターンEX−5 真紅の竜と『真紅の』竜
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たれた真紅の炎が、遊の視界を埋め尽くす。そして……。

 レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト 攻5000→遊(直接攻撃)
 遊 LP1000→1000

「馬鹿な!?スカーライトの攻撃が、効いてないだと!?」

 そこにいたのは、攻撃力5000もの直撃を受けてなおぴんぴんしている遊の姿だった。よく見ると炎は彼のもとにたどり着く前に見えない壁に阻まれ、ただの1欠片たりとも届いていない。

「ハー、ハー……ざーんねんでしたー、今の攻撃宣言時、ガード・ブロックのカードを発動していたのさー。この効果により1度だけ戦闘ダメージは0、しかもカードを1枚ドローするおまけつきね」
「ったく、今の攻撃さえ効いてりゃ……エンドフェイズに強化が消えて、ターンエンドだ」

 レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト 攻5000→3000

 確実だったはずの勝利をあと一歩のところで逃し、富野の表情にも焦りが出てくる。遊の手札、1枚はクリエイト・リゾネーターで回収したダーク・リゾネーターなことはわかっている。だがもう1枚、今ガード・ブロックで引いたカードと次のドローで引くカードは、1体何が来る?

「僕の……」

 ゆっくりとデッキに手を掛ける遊。その様子を、かたずをのんで半ば睨みつけるように見ていた。

「ターン……」

 あまりの集中の結果、周りの時間の流れがひどくスローモーに感じる。それは遊も同じようで、その表情からもいつもの余裕は消えていた。

「ドロー!……おやー?」
「な、なんだ?」

 カードを引いた直後、不意に地響きが始まった。地震かと辺りを見回すが、どうもすぐ近くのアカデミア本校は揺れていないらしい。今富野たちが立っているこの近辺のみが、ピンポイントで揺れている。

「そうか。残念だけど、今回は時間切れかなー?」
「待ちやがれ!逃げようったってそうはいかねえぞ!」
「まったく、やってくれるよ。もう1人、ユーノがいないと思ったら先に封印解除を邪魔しに行ってたなんてねー」

 デュエルを強制終了させてその場を立ち去ろうとする遊に、それを引き留めようとする富野。だが遊の次の言葉を聞き、その違和感になぜか背筋が冷たくなった。

「それにしても、彼もかわいそうに、ねー。大人しくこっちに来てればよかったのに、よりによってあっちに行っちゃったかー」
「かわいそうに……?」

 聞き返した次の瞬間、かすかな声が2人の耳に届いた。ユーノの声で……あれは、悲鳴?

「い、一体何が起きてやがる!俺にわかるように説明しろ!」
「やだねー。ただあえて1つ言ってあげるなら、多分今頃彼は、ねえ。頑張れば死ぬまでにあと1回ぐらい会うチャンスもあるんじゃなーい?まあ、こうなった以上とりあえず今回は僕も身を隠さ
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