ターンEX−5 真紅の竜と『真紅の』竜
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せてもらうよー。レッド・デーモンの真の戦いは次回にお預けだねー」
「ふざけんな!テメーのアビスもべリアルも、俺のスカーライトが焼き尽くしたじゃねえか!」
「確かに、そうだったね。正直驚いたよ、まさかあの2体を倒すなんてさー。でも、僕もまだ本気は出してないってことさー」
アビス、べリアルにはまだ上がいる。衝撃の告白を前に言葉に詰まったその隙を見逃さず、瞬時に遊の姿は消えうせた。
残された富野もなんとか痕跡を探してその後を追おうという衝動に駆られるが、すぐに遊が残していった不吉な言葉を思い出す。
「ったく、手間がかかる!」
身を翻し、三幻魔の封印地へ走る富野。走りながらもその脳内には、最悪のビジョンがちらついて離れない。振り払おうとしてもなくならないそんな光景は、果たして現実のものとなった。彼がそこに着いた時、そこには誰もいなかったのだ。他の敵もいないかわりに、とっくに先回りしているはずのユーノの姿もない。ただひたすらに、最初から誰もいなかったかのようにがらんとしている。
「おーい、誰かいねえのかー!」
しかし、その声に対する返答はどこからも来ない。そして一番不思議なことに、あれだけの揺れがあったにもかかわらず封印もいまだ残ったままだった。
「一体ここに誰がいて、何が起きたってんだ?」
思わず誰も聞いていないことは百も承知で一言つぶやく。無作為に歩き回りながら、せめて何か少しでも手がかりになるものがないかと見回してもみたが、その場には本当に何ひとつ痕跡が残されていないことがはっきりするまでに、さほど時間はかからなかった。
「一体……」
最後にもう1度だけ呟くも、やはり誰も応えない。せめてこの次元を離れる前に、ユーノに何が起きたのかを何も知らない清明にできる限り説明しに行こうと振り向いたところで、いきなり目の前の空間が歪んだ。
「アンタは……どうしたんです?」
転生者狩り独特の次元移動法でその場に現れた人影に一瞬警戒するも、すぐに緊張を緩ませる。その男は、初代ライバルと名高い青眼を変幻自在に操るデッキを使いこなす富野の仲間であり、転生者狩りでも古株の男だ。
「よう、こんな所に居やがったのか。ようやく見つけたぜ、ちょっと手伝ってくれよ。いやな、他の次元なんだけどな。1つの場所に思ったより大勢の転生者が飛ばされてるせいで、ちょっと俺1人じゃ手が回らねーんだわ」
「え?でも俺、まだこっちでやることが……」
「頼む、それは後に回してくれ!このままじゃ俺がどやされちまうんだ、恩に着るからよ。な?それにこの次元なら大丈夫だろ、よっぽどのことでもない限りほっといてもきっとどうにかなるさ」
「え、ちょ、うおあっ!」
そして、また静寂が戻る。もうそこには、誰1
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