アインクラッド編
6.アルトの戦い方
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」
大音量の叫びにアン逹は思わず耳を押さえる。間髪いれずに、粗雑な鋳鉄製の両手剣を携えた魔人から同心円状に光が放たれた。視界左隅に新たに表示されたアイコン。アイコンの表示は――――――――ステータス低下を表す、先っぽを下に向けた青い矢印。
「来るぞ?」
アルトの叫びにハッと意識を戻す。持ち上げられた剣が狙うのは、一番前にいたナツだ。
ガァァァン?と剣と盾がぶつかり合う。
「くうううぅ・・・!」
ナツが呻き声を漏らした。魔人の放った光のせいで防御値が低下し、抜けた攻撃がHPを2割持っていってしまった。
「下がれ?」
アルトがナツの前に飛び出した。
「俺がタゲを取る。ミーシャ、ナツ、シルストは一旦下がれ!アン、扉が開くかどうか確認しろ!タクミ、転移結晶使ってみろ!」
慌ててアンは扉に向かう。同時にタクミの「コルデー!」という声が聞こえる。
アルトは予想済だったのかもしれないが――――扉は、開かなかった。今度は、スローイングダガーで突く。ほんの僅かに、傷がついた。
「駄目、壊せるかもしれないけど、開かない!」
「結晶も無理だ」
「・・・結晶無効化空間。最悪の罠だ」
シルストが軽く唇を噛む。
「・・・ミーシャ!どうする!?」
アルトの問いに、ミーシャは一瞬だけ迷ったのかもしれなかった。扉は破壊不能オブジェクトではなかったため、時間はかかるが壊すことができれば外に出られる。だが、ミーシャはニッコリ笑って言った。
「よし、倒そう!倒して帰ろう!」
やっぱりか、とぼそっとタクミが呟いた。まぁ、ここで戦わないミーシャはミーシャじゃない。
「アルト、やるよ!ナツお願い!」
今までずっと魔人の剣を捌き続けていたアルトは、「ナツ!」と声を掛けて後ろに跳んだ。絶妙のタイミングでナツが飛び込む。今度はしっかりと受けた。
「最初はガンガン攻めなくていいから、攻撃パターン覚えて!HPがイエローになりそうになったら引いて?」
了解!と――――珍しくタクミも――――それぞれが声を返す。やっぱりアルトは軽く頷いただけだった。
「よし――――行くよ?」
***
最初の数十分は我慢の時間だった。
次々に繰り出される今日攻撃の数々を、懸命にナツが止める。時折アルトやミーシャも加勢して、できた隙をタクミやシルストのソードスキルが突く。剣が届きにくい頭をアンの円月輪が抉る。
特に声を出していたのは、何とアルトだ。魔人の攻撃パターンをいち早く見切り、「下段強攻撃!」だの「袈裟斬り!」だの叫ぶ。それに導かれるように繰り出される攻撃を避けるのは、だんだんと容易くなっていた。ステータス低下効果のある光も、床に伏せれば防げるということがわかり、余裕が生まれてくる
「あと少し、レッドになるよ!」
片手剣ソードス
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