第六十七話
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がかけた電話番号って、もしかして090−○○○−○○○○じゃないですか? 」
「うん。お? 」
何を言っているんだこのガキはといった感じの表情で俺を見ながらも、とりあえずといった風情で画面を見る警官。何を思ったか、再び電話を耳元に当てる。
「もしもし」
そして俺の携帯からは田中警官の声。
「はい、もしもし」
おそらくはその声は彼にも聞こえているんだろう。
「な、なななななななんあな!! 」
素っ頓狂な声を上げ、王女を見る。
「マ、マリオンちゃん。ぉ ぉ 君、まさかあのガキの携帯番号をお兄さんに教えたんじゃないよね、まさかね。まさかね。マリオンちゃん。ねねね」
王女は先ほど涙ぐんでいたような態度はすでに止めている。
「うん、そうだよ。おじさんに教えた電話番号はあそこにいる私の下僕の電話番号よ」
澄み切った清清しい声で話す。
「マ、マリオンちゃん。もしかしてお兄さんをからかったの? 」
少しその声に怒りが篭っているんじゃないのかな? と俺は心配になったりして。
「今頃気づいたの? ちょっと面白かったからシュウとお前たちをからかってみただけよ。それがどうしたの? 」
「ちょ、ちょっと! 姫」
「な、な、何だって!! 」
俺とお巡りさんが同時に声を上げた。
「そもそも」
と俺たちの怒りなど興味ないかのように王女は話し始める。
「田中といったわよね、お前。さっきから私の名前を読んでいるけど、誰の許可を得てその名を口にしているというの? 立場をわきまえなさい、無礼者。私の許可を得た者以外は決して口にしてはならないと決まっている。こちらの世界は知らないけれど、本来なら死を持って償わなければならない大罪をお前は犯しているというのを理解しているのかしら? それに先ほどから「お兄さん」と私に呼ばせたいみたいだけれど、お前たちは変態か? 赤の他人の私が下賎なお前たちにどうしてそんな呼び方をしなければならないのかしら。そもそも私の行動を制限すること自体、お前たちの一生において許可などされるべきものではないはず。ちょっとからかってみただけでしかないのに、何を当たり前のようになれなれしくしているというの? 」
「は? 」
「は? 」
二人の警官は何を言っているか分からない王女に驚きと呆れと同情の入り混じったような声を上げる。
「ま、まあ姫、もういいじゃない」
俺は彼らの間に入って王女に話しかけた。
これ以上王女に話を続けさせたら、さすがにお巡りさんたちも怒り出すのは間違いない。なんでこんなにトラブルに巻き込まれるんだろう……。
「心配する必要なんて無いわよ、シュウ。……さあ、二人とも私たちは忙しい。くだらない遊びはここまで。事件現場を案内してくれる? 」
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