第8話「ほうしん」
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..と。
「じゃ、行ってくる。」
「今からかよ!?」
「女子がいるのに汚れっぱなしは嫌だからな!」
俺自身、汚れをどうにかできるならしておきたいからな。
「....あー、さっぱりした。」
「お帰り。」
部室に戻ると、若狭がいなくなっていた。
「あれ?若狭は?」
「屋上の菜園。あれも立派な食糧源だからな。」
「なるほど。」
...と、なると俺は手持無沙汰な訳だが...。
「...そうだ。せっかくだし、今から取りに行くか。」
「ん?取りに行くって、何を?」
「バリケードを補強するための工具と材料。」
三階は丈槍が授業をしているから無理だとして、工具も取ってくるとなると一階だな。
「...一人で大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫。危険だったらすぐ戻ってくるし。」
「...なら、いいんだが...。」
それに、できるだけ奴らの生態を知りたいしな。
「若狭や先生が戻ってきたら一応伝えておいてくれ。」
「分かった。」
さて、作業時間は大体一時間から二時間でいいか。
「....ふぅ。これぐらいでいいだろ。」
二階の資料室に積み重ねた机や椅子の残骸を見ながら言う。ちなみに、一階の資料室にも同じように積み重ねてある。
「ここのはバリケードの補強に一部使って、一階のを安全確保に使う感じでいいか。」
机は脚の部分は曲がっていたりしたが、案外板の部分は割れている物が少なく、まだまだ活用できるものが多かった。
「工具もワイヤー、釘、金槌に...うん。これぐらいあればいいだろ。」
補強を行うための道具も充分に揃っている。
「さて、一旦戻るか。」
時間を確認すると、作業を始めてから一時間半経っていた。
「よ.....っと。」
バリケードを抜け、部室に戻る。
「ただいまー。」
「おっ、お帰り。」
「お帰りなさい。」
部室に戻ると、若狭も戻ってきていた。
「大丈夫だったか?」
「へーきへーき。気づかれないように移動していたし、最大限の注意を払っていたからな。」
第一、至近距離じゃないと襲われないからな。
「...で、あいつらの生態なんだが...。どうも、生前の習慣が染みついているみたいなんだよな。」
「習慣が染みついている?」
「ああ。グラウンドでサッカーボールを蹴っていた。」
これは一階の玄関辺りからグラウンドの様子を見た時に思った事だ。
「体が覚えているというか...本能なのかもな。」
「そうか....。」
「まっ、まだま
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