第8話「ほうしん」
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に...。」
そこまで言って、はたと止める。
「...チッ、俺もこんな事言ってなければ、こういう状況で正気を保てないって事か。」
今まで多数の街の人達が犠牲になっているのに、それを関係ないとでも言うような言葉を発していた事に気付いたのだ。
「あー..こりゃ、丈槍の明るさが必要になるわな...。」
精神安定剤みたいだな。丈槍の奴。
「肝心の丈槍自身が現実逃避をしてしまっているけどな...。」
苦笑いしつつ、俺はそのまま見張りを続けた。
「....異常なし....っと。」
窓から外を見ると、もう日が昇ってきていた。
ガチャッ
「...工藤君、お疲れ様。」
「あ、先生。」
先生が起きてきて、俺に挨拶をする。
「本当にずっと見張りをしていたの?」
「ええ、まぁ。...少しうたた寝したりしましたが。」
さすがにずっと起きているのは無理だった。
「っ....ごめんなさい。無理させちゃって...。」
「いえ....あ、でも少し仮眠させてください。」
徹夜に慣れている訳ではないから頭が痛い。
「ええ。お疲れ様。」
寝袋を置いてある校長室に入り、しばらく眠る事にする。
「....どれくらい寝たんだ?」
時計を確認すると、もうすぐ正午になる所だった。
「...結構寝たな...。」
しっかし、水で濯いですらいないから、体の汚れが....。
「どうにかできないものか...。」
とりあえず、生徒会室に向かう。
「あー、おはよう...いや、おそようか?」
「お、起きて来たか。」
生徒会室...これからは部室って呼ぶか。部室には、恵飛須沢と若狭だけしかいなかった。
「あれ?先生と丈槍は?」
「由紀にとっては普通に学校があるからな。授業に出てるんだよ。めぐねえはそれの付き添い。」
「なるほど。」
...先生、丈槍に話を合わせられるか?教室も結構ひどい惨状だから、丈槍に合わせて普通に授業を行うなんて難しそうだが...。
「...そうだ。聞きたいんだが、水浴びできる場所ないか?」
「水浴び?どうするんだ?」
「いや、体を洗っておかないとな...。」
俺がそう言うと、恵飛須沢は苦笑いしながら“そう言う事か”と言う。
「それなら、更衣室のシャワーが使えたはずだ。」
「お、この状況でも使えるのか。...そういや、ソーラーとかで電気を賄えてるんだったな。」
「そう言う事だ。」
なら早速向かわせてもらうか....。着替えの制服を持って.
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