第1章:修正の始まり
第10話「和解」
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=秋十side=
「じゃあ、俺は外に出てるから、何かあったら呼んでくれ。」
「はい。」
そう言って、桜さんは医務室から出て行った。
「....千冬姉に憧れるのは分かるけどさ、手順を間違えたら意味ないだろ...?」
束さんや桜さんから送られてきたデータの中に、彼女..ラウラについての情報もあった。
...どうやら彼女は、千冬姉が来るまで俺と同じように落ちこぼれ呼ばわりされていたようだ。それを千冬姉が鍛える事でここまで強くなれた...か。
「...千冬姉が洗脳されてなかったら、俺も勝てなかっただろうなぁ...。」
千冬姉なら彼女が力の使い方を間違える可能性ぐらい想定していただろう。かつての千冬姉だと彼女はもっと強くなっていただろう。...なんとなく、そんな気がする。
「片や“出来損ない”と蔑まれ、頼れる姉さえも洗脳された俺...。片や“落ちこぼれ”と言われ、だけど成り上る事の出来たラウラ...か。」
...ちょっとだけ、似ているな...。
「....ぅ.....。」
そんな事を考えていたら、ラウラが呻き声を上げて起きた。
「...ここ、は....。」
「医務室だ。」
「...お前、は....。」
まだ体のダメージや疲れが取れていないのか、あまり元気がない。
「...お前は...どうしてあそこまで蔑まされながらも、平気でいられる...?」
「なに....?」
突然俺の事を聞いてきて戸惑う。...なんで俺の過去を知っているんだ?
「...お前の過去を、今しがた夢で見た。...どうして、平気でいられる?」
「夢で...だと?」
.....そういえば、束さんが言ってたっけな。“ISには意志があって、操縦者や操縦者に関わりのある人物に何かを伝えてくる可能性がある”って...。もしかして、それの事か?
「私には、お前のような経験、耐えられる気がしなかった。」
「...平気じゃなかったさ。何度も挫けそうになったし、何度も死にたくなった。それこそ、千冬姉や箒や鈴が洗脳された時は、絶望したさ。」
“でも”と一つ区切りをつけ、
「絶望やそんな後ろめたい感情よりも、“追いつきたい”“強くなりたい”って気持ちの方が強かったし、なによりも桜さんに出会えたことで、俺は変われた。」
いくら挫けないようにしてても、皆が洗脳され、誘拐された時は本当に心が折れた。でも、桜さんと出会った事で、俺の努力は無駄じゃなかったって知れたし、色々と希望を持てるようになった。
「.....強いな...お前は。」
「いや、俺は弱いよ。弱いから、勝ちたいと思える。何度でも立ち
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