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大切な一つのもの
10部分:第十章
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爵はその言葉にも寛容な笑顔で頷きます。見れば五人の騎士達もまた。
「姫の幸せはそなたの為のもの」
「だからこそ」
 こう言って彼を送り出すのでした。この世で最も大切なものを手に入れた彼はこうしてそれを手にして帝都ウィーンに戻るのでした。

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