紗を裂く決別の詠
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
もしれない。そんなモノは甘い認識だと教えられた。真名の返還という異端な出来事にさえ興味が無いと、その表情が伝えていた。
視線が合った。
瞳の中に嘗ての思いやりは無い。
黒を覗いた。
自分達に向けられていた信頼もやはり無かった。
ビシリと痛む胸を抑えて、愛紗は泣きそうな表情に変わる。
追い打ちを掛けるように、引き裂かれた彼の口から、彼女にとっては受け入れたくない言の葉が綴られた。
「さて……過去の話はもういいだろ? さっきの門番には旧知の親睦をとか言っちまったが……俺達は慣れ合いに来たわけじゃないんだ。
傍若無人な使者を追い返すのか、それとも俺達と“話し合い”をする勇気があるのか……そちらの御意向や如何に、“関羽殿”?」
一陣、寂しい風が吹き抜ける。
心に吹き荒れたその風は、冷たい喪失感を愛紗の心に運び込んだ。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ