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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(上) 列島騒乱
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だ! どうにか説得してくれないだろうか?」
「それは無理というものです。マツバは我々が侵攻した時、防衛の旗頭に立って我々に楯突いた人物です。この者をあなた方の要求に従って解放したとあっては団員たちに示しがつかないのです。分かって頂けないでしょうかね」
「じ……じゃあ分かった、一日とはいわない、一週間休戦協定を結ぼう! これならどうだい?」

 ワタルはギリギリのところまで譲歩して頼み込む。

「理事長さん……。もうそれはいいんですよ。時間はもう十分に稼がしてもらいましたから」

 アポロは残忍な笑顔を浮かべながらそう言った。

「グッ……まさか……」
「悪いことをするにも知恵というものが必要でしてね……。理事長さん。貴方如き成り上がりの低学歴の考えることなんて私からすれば全てお見通しなんですよ」
「き……貴様ァ!」

 ワタルは怒りのあまりカイリューの入ったモンスターボールを出そうとした。

「おっと。我々は二度もそれを食らいはしませんよ。私に指一本でも危害を加えれば背後にいる20万をこえる獰猛な改造ポケモンたちが黙っていませんよ……? それでもいいんですか?」
「クッ……!」

 ワタルは地団駄を踏みながらモンスターボールを収める。

「まぁしかしこれではあまりにも可哀想なので一つだけ救いの道をさしのべてあげましょう。これに乗るならばマツバさんの解放を承諾いたします」

 ワタルはアポロの顔をキッと見る。

「当初の通り、ポケモンリーグの全面的な解散。ただ一つですよ。但し我々もだらだらやるのはもう御免です。これには期限を設けさせていただきます。そうですね……明日中というのは如何でしょう?」
「ふ……ふざけるのも大概にしろ!! 誰がそんな条件を」
「呑まないと言うのであれば……交渉は決裂。マツバは我々の手で処刑します。宜しいですね?」

 とだけ言うとアポロは涼しい顔をして引き上げていった。
 ワタルは自分以外だれもいなくなった机を何度となく叩き続け、机に伏す。
 この壇上会議は全国のマスメディアが映しているためこの模様は瞬く間に世界中に流れていく。

―――

 それからおよそ31時間、リーグで、街中で、国会で様々な議論が巻き起こった。
 政府はワタルに対し、早期の解決が行わなければ強行採決を行ってでも治安出動を行うと脅しをかけ、避難民のエンジュ市民からは嘆願書が届き、それには「早く家に帰りたい」という思いが人々の思いに強く去来していた。
 マツバの救出もどうにか行おうと尽力したがナツメの超能力は行ったことが無い為使えず。キョウやアンズの忍術をもってしても救出は不可能だった。
 そして、運命の5月7日。ワタルは最後まで解散を口にせずタイムリミットを迎えたのだった。

―5月7日
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