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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(上) 列島騒乱
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「どうされたのですか?」
「さっき、『この戦争が終わったら伝えたいことが……』って話したやろ?」
「ええ……。それはつまり、アカネさんがツクシさんに好意を持っているってことですわよね? しかし、ツクシさんは既にそのことを知っているはずでは……?」

 エリカの疑問に対し、アカネは

「そこやねん問題は。ただ好き言うだけじゃもー意味がないねん。ここはウチがどんだけ本気なんか見せたらんといかんのね」

 アカネは困っている様子の声で言う。

「左様ですわね。何か一工夫欲しいところですね」
「ショージキあれ勢いというか流されて言うた部分が多くてな……何も考えてないねん。どうすりゃええと思う?」
「そうですわね……」

 本当の事を言えば、エリカ自身もレッドに対し類似の事を言っているのである。
 そしてエリカもアカネと同様具体的に何をするか決めている訳ではない。二人とも同じフィールドに立っているということである。
 しかし、エリカは年齢的にいえばアカネより先輩である。意地でもその事を告白する気にはなれない様子である。
 彼女は数分ほど考えた後、切り出す。

「例えば普段しないことをされては如何でしょうか?」
「ほー。そりゃええね。新鮮味を感じられて、うん。ええかもしれんな。で、例えば?」

 アカネはメモを取っているのか向こうからカサカサと音が聞こえる。

「手料理を振る舞うと言うのは如何でしょう?」
「手料理かぁ……そういや作ってやったことないな」
「丁度いいではないですか! 料理のご経験はどのくらいですか?」
「まぁウチも女の子やからね。それなりに自炊したりしとるし、テレビで料理番組出ることもちょいちょいあるしで人並み……いやそれ以上にあるかもしれんね」

 アカネは少々自信ありげに鼻を鳴らす。

「まぁ、それは素晴らしいですわね。因みに得意料理はなんですの?」
「和洋中だいたい作れるけど、せやね……一番の自信はやっぱお好み焼きかねぇ」

 エリカは少しだけ聞いたことを後悔したような表情になる。

「そ、その他には?」
「他? 他はまぁ茶碗蒸しとか唐揚げ……あとは肉じゃが、鮭の西京焼き、パエリア……こんなとこかね」

 それを聞いてエリカはホッとした表情になって尋ねる。

「分かりましたわ。宜しければ私なりのレシピをお教えしますけど……」
「あ、そういやエリカも料理得意やったっけ。頼むわ!」
「はい。お作りになる料理が決まりましたらまた連絡してください。お母様、お祖母様直伝のレシピをFAXでお送りしますわ」
「おお。本格的そうやね! じゃあじっくり考えとくわ。で、他にはどんな感じにすればいいかね?」
「左様ですわね……」

 アカネが乗ってきたため気をよくした
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