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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(上) 列島騒乱
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より敵があとどれだけの数をもっているのか分からない。
「私の背後……いえ、ロケット団にはあと3万体ほどの余力があります。貴方の仲間は果たして残りにいる三万体に耐えうるだけの戦力を有しているのですか?」
「クッ……」
ワタルはそういわれると黙りこくるしかなかった。いくら理事長直々のポケモンとはいえ、レッドやヤナギたちがあれだけ苦戦したポケモンたちを三万体倒せる保証はどこにもないのだ。
「話を戻しましょう。現在我々が求めるのはリーグ解散ではなく、暫しの休戦です」
「な……休戦だと!? そんなみすみす力を貯める事を認めるような真似見逃せるとでも……」
ワタルはまた声を荒げるが、アポロはあくまで平静を求める。
「そういう訳ではありません。我々が休戦を求めるのは今回の戦いで傷ついたエンジュの街を修復したいと願うからです。エンジュは長年我が国の都であった歴史ある都市です。それを直したいと願うのは悪の組織といえど当然ではないでしょうか?」
意見書よりアポロはエンジュの出身であるという情報を握っていたワタルはその言葉が嘘のようには思えなかった。
見え見えの嘘かもしれないが。正直な話、リーグ方のポケモンが回復し、準備が整うまでの時間が欲しかったのは事実である。しかし、やはりただそれを呑みこむことを良しとしなかったのかワタルはこう切り出す。
「分かった……。呑もう……呑むが一つ条件がある」
「何でしょうか」
「人質を解放して欲しいんだ」
ワタルの条件に対し、アポロは数秒ほど考えた後
「分かりました。私の一存では決められないですが……。全員とはいいませんが、一部を解放するように進言いたしましょう。詳細については追って連絡します」
その後、ワタルとアポロは毎日夕刻にこのゲート前に集まって会談する事。48時間の休戦が確約され、ようやく一日目の戦争が終結した。
第一軍は逆転勝利、第二軍は辛勝。第三軍は敗北という結果に終わり、38番39番道路がロケット団の支配下にはいった。
―5月2日 午後5時 チョウジタウン ポケモンセンター 209号室―
あれから一日が経過した。
各軍のジムリーダーや四天王たちはポケモンセンターや宿やホテルなどに詰めながらも普段通りの一日を過ごした。
昨日の緊迫が嘘のように、平和な一日だった。
しかし、テレビのニュースは連日緊迫する情勢をひっきりなしに伝えている。
『本日開催された通常国会では、昨日の深夜より議論されている自衛隊の治安出動の承認について話し合われました。与党側は治安出動を支持し、可及的速やかな解決を求める一方、野党側は治安出動に対し大変否定的な見方をし、ポケモンリーグに委ねるべきであるとの主張が多勢を占めております。ここで各党の立場の
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