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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第七話 大姦の蠢動
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及ばなかった。マツバもやはり体つきは凡人並みなので同じ結果に終わる。
「よくやったのう。さて、どうしようかの」
「逃がしてやれ」
オーキドが思案していると、すかさずサカキが入ってきた。
「これはこれはサカキ殿。人足を貸していただきかたじけない。で、逃がせとはどういうことかの」
「この女だ」
サカキはアカネに目を遣る。
「アカネ君がどうしたというのじゃ」
「10分ほど前にオリエンテーションが終わり、ご学友が探している。もし下手にさらうと騒ぎになりかねない」
「集団催眠機は映像が無ければ使えぬしな……。やむを得ん。手早く記憶を消して適当な場所に置かせるとするわい」
オーキドはそう言ってアカネの頭部に装置をはめ込もうとする。
「いや、マツバも逃がしてやれ、この男はレッドとエリカに一時間前に接触している。今の時点で我々の仕業だと感づかれれば」
サカキはそうオーキドに具申する。
「リーグが動くやもしれん。特にエリカ君はなかなか察しの良い子じゃ、我々の事も気づき、喋りかねん。此度は諦めるかの」
「にしても、マツバを誘き寄せるだけの作戦が……、とんだ邪魔が入ったな」
「いやいや。こちらにも良い収穫があったわい。しかしエリカ君よ……ここまで多くの人を惚れさせるとは。全く世が世なら傾国と呼ばれたかも知れぬの」
オーキドは天井を見上げながら力なく嗤う。
―3月29日 スリバチ山―
レッドとエリカは修行の為に数日ほどスリバチ山で修行する事にした。
空手大王とも戦い、平均レベルは85に達し、成果は出つつあった。入山から2日ほどがたち、そろそろ戻ろうと、抜ける道に着くと黒ずくめの集団がいた。
「お前らは……」
レッドははっきりと記憶している。
いまから三年前に嫌というほど倒してきた黒衣の集団。ロケット団である。
エリカは黙しながら動静を見守る。
「うわ、聞いたとおり女連れてやがる! おい、すぐに引き上げろ! ここは俺たちが食い止める!」
一人の下っ端と思しき男がそう叫ぶと、後方にいる十数人の下っ端が一斉に上から抜けようとする。ヘリなりを使って脱出するつもりなのだろう。
「修行の成果。こんなにも早く見せる日が来るとはな! 出ろ、リザードン! バクフーン! 炎で行く手を封鎖しろ!」
「合点承知ぃ!」
リザードンは飛行して、他の団員たちよりも先回りし、飛び乗ったバクフーンは火炎放射を続けて行く手を塞ぐ。
バクフーンが止めると、リザードンが炎を出す。こちらは大文字だ。二匹の息はぴったり合っている。
下っ端たちはなんとかとどめようと雑多なズバッドやコラッタなどのポケモンを出す。
「エリカ。護衛のポケモンを頼む。こっちは下っ端の
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