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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第七話 大姦の蠢動
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 アカネはマツバの態度に業を煮やし、つい口を滑らせ、慌てて両手で口を閉ざす。

「ど、どうしてエリカさんの事が……」

 マツバは秘密が漏れていたことに動揺する。オーキドはにやりと頬を緩ませる。

「わわわ……。今のは聞かんかった事に」

 彼はしばし黙した後

「そうだね。ここで立ち止まっている場合じゃない。という訳でアカネちゃん。僕一人に任せてくれ」

 マツバは気取られないように、何事も無かった風で振舞う。

「そ、それとこれとは話は別やで! どうせジョウトの問題になるんやったら、同じ地方のジムリーダーが解決するのが筋ってもんやろ? 違うか?」

 アカネは問いかけるかのような口調で言う。

「ハァ……。分かった。そこまでいうなら一緒に闘おう。……まあ、一人より二人だしね」
「さすがマツバや。話せば分かるなぁ。という訳でオーキドはん! ウチとマツバ、ジムリーダー二人があんたを倒すで!」

 アカネはオーキドに指を突きつけながら言った。

「漸く話がまとまったかの。それにしてもワシに叛旗(はんき)を翻すとは」

 オーキドはおどけた様子でそう言った。

「貴方はもう、私が教えを請うたときのあなたではない……」
「ほう」

 オーキドは興味深げにマツバを(うかが)う。
「私は一人のジムリーダーとして、そしてジョウトを靖んじるために、貴方を討つ!」

 マツバは強く言い放ったが、オーキドの反応は冷めたものだった。

「ふぅ……若いもんは血の気が溢れすぎていかんのう……。ワシはの、三種類の嫌いな人間がおる、一つは人の恋人を寝取る者。一つはわしのプリンを勝手に食うもの。そして最後は……」

 オーキドは間を空ける。殺気を感じた二人はモンスターボールを構える。

「貴様らのごとく、下らぬ責務に固執するものじゃよ!! 行け! ……!」
 
 二人は見たことも無いポケモンに硬直する。しかし、すぐに気を取り直し

「参れ! ゲンガー!!」
「いったれ、ミルタンク!」

 果敢にポケモンを繰り出した。

―10分後―

「う……嘘だ……」
「な、なんやねん……、どういう事や……」

 あまりに簡単に決着が着いてしまったゆえか、アカネは涙すら流さずに困惑している。

「驚くのも無理はあるまい。ここに居るはずのないポケモンじゃからの。おい!」

 オーキドが手を鳴らすと屈強な男が数人、研究室に入った。

「大人しくさせるんじゃ。殺すでないぞ」

 そう指示すると、男たちは、神業ともいうべき速さで二人を拘束。
 その後、男二人が頚動脈を締める。数分ほどで二人は気を失った。アカネが特に強く抵抗したが、所詮は女の力である。男の拘束を振りほどくには遠く
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