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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第七話 大姦の蠢動
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、君のような青二才に諭されたところで、改心すると思うかの?」

 しかし、マツバはあくまで毅然としていた。そして、これ以上の問答は時間の無駄だと悟る。

「仕方無い……ならば実力行使です。エンジュシティジムリーダーとして……」

 マツバが静かにそう言ったところで、ドアが少々乱暴に開かれる。

「待たんかい!」
「ア……アカネちゃん!? どうしてこんな所に」

 どうやらマツバはアカネに気づいていなかった様子で、目を点にして彼女を見る。

「訳は後や。話は大体見当がつくで。大方、机の上にある怪しげな機械で、ウチたちを操ってポケモンを掻っ攫おうって魂胆やろ?」

 アカネは中に入ってすぐにマツバの指摘している事を素早く推察したようだ。

「じゃとしたらどうする」

 オーキドは嗤いながら尋ねる。

「決まっとる! そんなん許されるわけあらへん。ジムリーダーとして断罪するまでや!」
「アカネちゃん。これは僕の街で起こったことだ。隣町とはいえ、君を巻き込むわけには」

 マツバは諭すような口調でアカネをこの場から離れさせようとするが、彼女はすぐさま

「何言うとるんや! もしそのポケモンを悪用されてばら撒かれ、エンジュが制圧されたら次に狙われるんわコガネやで! 内国一の大都会、そうそう見逃すはずあらへんやろ?」

 アカネの返答に、オーキドはまたも嗤いながら

「ホッホッホ。ご名答。噂に聞いたとおりの豪胆さ、そして慧眼(けいがん)じゃのう。普通の女子なら縮みこんで何も出来ないというのに」
「ケッ、敵に褒められても嬉かないわ!」

 アカネはオーキドを睨みつけながら言う。

「じゃがのう。少しは言葉に気をつけたほうがよいの。確か君は生物学部じゃったかの。ワシの講義は必修で『携帯獣学』という科目で設置しておる。あまり口が過ぎれば」
「そんな脅しには屈さんで! この事を学長なりに告げればアンタは一発でクビや。それでウチにはなんの問題も」
「ホッホ……。通じれば良いがの」

 余裕そうなオーキドの様子に、アカネは不安を覚える。

「グッ……まさか」
「なるほど……。僕が思ってた以上にエンジュ大学は腐敗しているみたいだ……。僕の母校が、嘆かわしい限りだよ。でも、恐らく元凶はこのオーキド博士。これを叩けば自ずと元に戻るはずだ」
「せやな! よし、なら一丁やったるで!」

 アカネが意気軒昂になっていると、マツバはもう一度説得を試みる。

「アカネちゃん。さっきも言ったけどこれはエンジュシティで起こった問題。確かにジョウト全体に影響を及ぼす可能性もあるけど、ここはまず僕一人に対処させてくれ」
「マツバ! かっこつけるのも大概にせえよ! そんなんやからエリカに振り向いてもらえな」

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