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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第七話 大姦の蠢動
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残されたようになっているレッドは、不機嫌というよりも大いに疑念を抱いている目をしている。

「さてと、貴方。アサギシティに向かいましょ」
「エリカ」

 レッドはエリカの発言を遮り、重みのある声で言った。

「な……何ですか?」

 エリカは語気からただならぬ気配を察知したのか、畏まった風になる。

「お前、本当に俺のこと好きなのか?」
「は、はい? 何を唐突に」

 彼女は突然、分かっているであろう事を伝えられて、当惑する。

「無理しているなら、もうついてこなくていい。俺だって辛いんだ……」

 そう言って、レッドは一人ゲートの方向に向かう。

「そんな……。貴方、待ってください!」

 しかし、レッドは止まろうとしない。
 エリカは、追いかけて、少しだけ躊躇したが、最終的に彼を後ろから抱き止める。
 まさか、キスすら拒む彼女が自らこのような行動に出るとは思わず、彼は初めて感じる彼女の温もりを受けながら立ち止まった。


―第七話 大姦(だいかん)蠢動(しゅんどう) 終―


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