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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第七話 大姦の蠢動
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相手で手一杯になりそうだ」
「承知しました。毒ポケモンに耐え得るのは、この子ですわね。おいでなさい、ロズレイド! ラフレシア! あの二匹を掩護(えんご)しなさい!」

 二匹は命が下ると、地形を利用して岩を登り、リザードンの居る高さの近いところから相手の攻撃をマジカルリーフやヘドロ爆弾などを駆使して弾く。
 その後、レッドは下っ端のポケモンを殲滅し、捕らえたと思われるポケモンを全て解放した。

「ふう。これでどうにかなったか……」

 レッドはポケモンを戻し、一仕事終えたとばかりに息をつく。

「チッ……。覚えてやがれ! 俺たちのお目当てのポケモンはここには居なかったし、こんな山、もう用は無いわ!」

 下っ端はそう言って、逃散していく。

「あれ……、どう見てもロケット団だよな」
「あの、黒ずくめの服装。かつてタマムシで闊歩していた人たちと全く同じです。間違いないと思いますわ」

 エリカもその意見に同調した。

「どうやら、マツバさんの言っていた事……。当たっているぽいな。認めたくないけど……。ワタルさんにも言っておくか?」
「いえ、ロケット団はゴールドさんが壊滅させてからまだ半年程しか経っていません。これだけの短期間でここまで勢力を盛り返せた理由。たとえば、何か余程大きな援助を得たと証明できるものがないと、信じていただけないでしょう」

 エリカははっきりとそう返した。

「いや、確かポケモンリーグには監視権とかいうのがあったんじゃ」

 レッドのいう監視権とは、ポケモンリーグはポケモンに関する一切の処理を政府から公的に認められている唯一の民間団体という建前を守る為にリーグの理事長にのみ与えられた権利である。
 反ポケモン団体とは、ポケモンを奴隷化したり、国家の安寧を乱す兵器として用いたりしようとする団体で、ロケット団が良い例である。
 行使がなされると、理事長や委託された人物はその団体に対し、捜査することが出来、場合によっては必要な処置をとることが認められる。
 ワタルがゴールドと共にチョウジのロケット団アジトを潰したりしたのが監視権の一環といえる。

「反ポケモン団体に対する監視権の事ですか? あれは一度、監視内容を裁判所に提出し、許可を頂かないと行使できない規則になっているのです。それもそれなりに必要性が認められないと許可は降りませんわ。まあしかし、言い換えれば捜査権と執行権ですからね……。国の機関でないものが用いるが故に適用には慎重を期しているようで」

 ポケモンリーグは完全な民間団体である。先の監視権などはリーグの設立から現在に至るまでの歴史で勝ち得てきたもので、決して国からの命令で動いている訳ではない。
 今日リーグは全国どころか海外(イッシュ地方など)にまでその支配を
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