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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第七話 大姦の蠢動
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のバトルは2vs1。ヤナギ側は6体使えるが、レッドとエリカが使えるポケモンは2分の1で3体のみ。そしてレッドは現在一体失っている。
 つまり、選択の余地があるのはここだけと言うことだ。
 レッドは数分熟考する。ヤナギの方は黙然としつつこちらの出方を伺っている様子。

「エリカ……。俺はバクフーンを信じる」
「そ……そんな無茶です! 今のバクフーンは風前の灯」
「だからこそ、その灯を信じるんだ。とにかく俺の言うとおりに」

 レッドの発言に何かを見出したのか、彼女はそれを聞くと

「左様ですか」

 とだけ答え、ルンパッパの後ろに戻る。
 
「ルンパッパ、日本晴れです!」

 ルンパッパが踊ると、雨雲は払われ、瞬く間に炎天下となる。
 まさかルンパッパにその技を覚えさせているとは思っていなかったのかヤナギの目が少々細まる。
 チャンスは一ターンのみ。レッドはまず堅牢な守りを持つパルシェンに照準を定める。

「バクフーン、パルシェンにソーラービームだっ!」

 その指示と共にバクフーンは太陽光を収集し、ひとつの束を作ろうとする。

「このままだと堂々巡りだの……。戻れ、ジュゴン」

 時勢を読んだのか、ヤナギはジュゴンを戻す。
 そして戻した瞬間にパルシェンにソーラービームが貫通。草の大技には如何にパルシェンといえど耐え切れず、一撃で沈黙した。
 漸く一体を倒せたことにレッドは安堵する。しかし、それ以上にヤナギがジュゴンを戻したと言うことはこの天候を変える気がないという一種の意思表示。
 しかし、今のバクフーンは猛火に加わり日本晴れという得手に帆をあげたかの如く本領を発揮できる状況。逆に相手方にとっては窮地に陥っているといっていい。
 レッドはこれを相手が投げたと看做(みな)すべきか、それかまた別の策があるとでもいうのかということで期待と不安が交差している心境である。

「よくぞパルシェンを下したな。流石は噂に聞きし伝説のトレーナー……。だが、レッドよ」

 呼び捨てで呼びかけられたので、レッドはヤナギに目を合わせる。

「あまり、年寄りを甘く見るでない」

 レッドはその一言で目を大きく見開かせる。よもや自らの心を読んでいたとでもいうのか。

「行け、マンムー、トドゼルガ!」

 二体はフィールドに姿を現すとこの時を待っていたかのように自信ありげな様子で屹立する。
 両体とも相当な貫禄で、見るからに百戦錬磨の豪傑である。
 しかし、レベル差があるとはいえ、素早さはこちらの方が上回る。そう確信したレッドは先手必勝とばかりに

「バクフーン! トドゼルガにソーラービーム」
「マンムー。地震だ」

 マンムーはバクフーンに先んじて大きく地を揺るがす。
 光を集めてい
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