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赤い靴
2部分:第二章
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第二章

「その線もやっぱりありますよ」
「そうか。時間も時間だしな」
「それにですね」
 ここで金田はさらに言う。
「目撃例が結構重なっています」
「どんな感じだ?」
「どうも。調べたところ」
 ここで弁当を食べるのを一先止めて地図を出してきた。横浜市のある住宅街の地図である。そこの幾つかのポイントに赤い丸を打っている。
「何点か出たポイントがありまして」
「ああ」
 金田の話に応えながら彼も地図を見るのであった。金田はその動きを見ながらさらに話を続ける。
「そこが結構重なっていますね」
「重なっているか」
「はい。しかも」
 金田はそのポイントの一つを指差す。そこには数件重なっているのか赤いペンで日時が書かれていた。それも複数であった。
「結構同じ地点に出て一回襲ったら出ません」
「警戒してるな」
「多分そうですね。それで場所を変えています」
「だとするとだ」
 ここで松本はさらに地図を見て述べた。
「今襲われていない目撃場所は」
「ここですね。一番多いのは」
「そうだな。そこだ」
 ある公園の入り口だった。見ればすぐ側に学習塾がある。
「何か変質者が出るにはおあつらえ向きの場所だな」
「化け物が出るにしても」
 金田はここでまたそうした類を話に出してみせてきた。さっきの松本とは逆に彼が出したのであった。
「おあつらえ向きでしょうね」
「じゃあお守りか銀の弾丸でも持って行くか?」
 松本は彼の今の言葉に冗談混じりで言葉を返した。
「それならな」
「いえ、それはまさか」
 金田は笑ってそれは否定した。
「必要ないでしょう。手錠と拳銃で」
「御前が言ったんじゃねえのか?」
 しかし松本は笑って彼に言葉を返す。
「それはな」
「それはそうですけれど。まあじゃあお守りは持って行きますか?」
「好きにしろ」
 ここは突き放すのだった。
「そんなことまで俺が知るか」
「知るかって松本さん」
「持って行きたいのなら持って行け」
 また言うのだった。
「俺は持って行かないがな」
「そうですか」
「ああ。とにかくその公園に張り込むか」
「見つかればいいですけれどね」
「まあな。だがここは長期戦覚悟だ」
 ラーメンを最後まですすってから述べた。
「こういう奴は中々捕まらないからな」
「ですね」
 そんな話をしながら張り込みに向かった。しかしこの日はそこには出ずに怪しい目撃例が別の場所であるだけだった。やはり赤い靴の女の子を探してブツブツと呟きながら街を徘徊しているというのだ。その日は肩透かしだったがそれでも二人はその公園に次の日も張り込んだ。
 公園の物陰に隠れて。金田は松本に問う。夜の寒さと闇が身体に滲みる。
「今日は出るでしょうか」
 金田は懐に入れている
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