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ソードアート・オンライン 『アブソリュート クイーン編』
第1章-リンクスタート-
第3話『偽りの世界』
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なっているのかもしれないな…。ー


俺がついているぞと言わんばかりに、キリトはアスナの手を強く握り返す。

茅場昭彦のオープニングセレモニーの挨拶は、ちょうどログアウトボタンが機能していないことが、ソードアート・オンライン本来の仕様であることが告げられる。
その説明の中で、“ナーヴギア”の言葉が全て“アミュスフィア”へと切り替わっていた。


ー恐らく、高度に成長を遂げたカーディナルはアミュスフィアでも脳の神経細胞に強力な電気を流せるほどになっているんだ。ー


ログインしている大勢の元SAOプレイヤーたちは記憶を改ざんされているため、極度の混乱状態に陥っていた。
まさにあのデスゲームが始まった時と同じ形になってしまった。


「私たちが、先頭にたってみんなを死なせないようにしなきゃ…だよ。」

アスナの呟く言葉に、キリトも頷く。


「あぁ。今度は誰も死なせやしない…。」


「それでは最後に、諸君のアイテムストレージに私からのプレゼントが用意してある。確認してくれたまえ。」


周りのプレイヤーたちは例の手鏡を取り出し、光に包まれる。
キリトとアスナもアイテムストレージを確認したが、2人のストレージには手鏡ではなく、代わりに別のものが入っていた。


“ヒースクリフからの贈り物”


ー…何なんだこれは…?ー


キリトとアスナが恐る恐る、そのアイテムゲージをタップする。

キリトのストレージ画面には、
《エリュシデータを入手しました。》

アスナのストレージ画面には、
《ランベントライトを入手しました。》

との文字が浮かび上がる。


ーこれは、ヒースクリフからの餞別ということか……。ー


残念ながら、今のキリトとアスナのレベルでは装備できないみたいだが、早い段階から以前愛用していた武器が手に入ったことは、かなり安心に繋がった。


「……以上でソードアート・オンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君…健闘を祈る。」


マントの男はそう言い放つと、どことなく消え、辺りはアインクラッドの美しい夕暮れの風景に戻った。


ー本当ならば、クラインや他のみんなを探し出し、事情を説明する方がいいのかもしれない。…でも、この大勢の中から探し出すのはほぼ不可能に等しい。ー


そう考えたキリトはアスナの手を引きながら、一目散に次の街に続く道を駆け出した。


「今のうちに次の街を拠点にしよう。レベルを極力上げておかないと、護りたいものも護れなくなってしまう。」

「うん…そうだね…。また…始まっちゃったんだね…。」


うつむくアスナの目に涙が溢れているのが見えた。


ーいくら分かっていた
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