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ソードアート・オンライン 『アブソリュート クイーン編』
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第1話『始まりの予感』
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「キリトくーん。早く起きないと、大学遅刻 しちゃうよー!」
1階で高らかに響くアスナの声を目覚まし代わりに重い腰を上げ起き上がる。
外から眩しいくらいに太陽が照りつけ、窓から目を背けると、ふとカレンダーが目に入る。
2027年11月7日…今ではバーチャルMMOの黒歴史とも言われているSAOことソードアートオンラインをクリアしてから、ちょうど3年の月日が流れていた。
俺、桐ヶ谷和人は晴れて大学生になり、今では恋人のアスナと同棲して一緒の大学に通っている。
ーあれから、もう3年も経ったんだな…ー
ふとあの日の出来事を鮮明に思い出し、今ではこうして愛しい人と一緒に過ごすことができている喜びを実感する。
「キリトくんー?ちゃんと起きてる?」
中々リビングに顔を出さないキリトを心配して、アスナが部屋までやってくる。
「おはよう、アスナ。」
キリトはそう言うと、アスナをぎゅっと抱きしめる。
「キ、キリトくんってば…ご飯食べて学校行かなきゃ…」
アスナは恥ずかしそうにそう言いながらも、ぎゅっと抱きしめ返す。
「SAOクリアしてから、今日で3年目だから今夜はお祝いにしよう。アスナ、腕にふるいをかけて夕飯作ってくれよな。」
「も〜、キリト君は食べることばっかりなんだから。でも私も最初からそのつもりだったよ。」
2人はそう言い合って笑いあう。
あの日に勝ち取った幸せの日々が今日も続く……はずだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2人が通っている大学は、家から電車で30分ほどのところにあった。
履修登録も専門分野以外は同じ形にし、極力2人でいられる時間を作っていた。
「ふぁ〜。」
…と教室で大きく欠伸をするキリトを見てアスナが微笑んでいる中、
「あらぁ〜、桐ヶ谷夫婦は今日も2人で登校かしら?」
キリトとアスナが振り返ると、そこにはにやけ顏で2人を呼び止めるリズベットの姿があった。
「「おはよう、リズ。」」
キリトとアスナが同じタイミングでハモる。
「相変わらず憎いほど、息ぴったりねぇ。」
リズベットが呆れた顔で2人を見つめる。
「おい篠崎〜早く席につけー。講義を始めるぞ。」
教授の声が教室に響き渡り、リズベットが慌てて席に着く。
「今日は教科書134ページの…………。」
講義の最中、キリトはまたも三年前のことを思い出す。
ーゲームクリアは出来たけど、約4000人の命が失われることになった。もっと自分が強くなっていれば、たくさんの命を救えたんじゃないか…月夜の黒猫団のみんなも…サチも…ー
"ピロリン♪"
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