十七話:覚悟と理想
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ても。
“自身の信じる正義”を今までと同じように行っていくだけだ。
例え、その業火がこの身を焼き尽くす炎であったとしても、もう彼は迷わないだろう。
―――その役目を果たす時までは。
「そっか。ありがとう、少し元気が出て来たよ」
「それなら良かったわ。あ、そろそろ帰らんといけん時間やろ」
「本当だね。それじゃあ、明日はヴィータちゃんも連れてくるよ」
「楽しみにしとるよ。じゃあ、また明日な」
「うん、また明日」
必ず明日が来ることを祈って最後の言葉を交わす二人。
切嗣はコートをはおり、病院から出ていく。
しばらく歩いていき、病院から大分離れたところでタバコを取り出して火をつける。
火は小さい、しかし、決して弱々しいものではない。
天に舞い上がり消えていく煙を追うように、切嗣は月の無い星空を見上げる。
「もう、僕は迷わない。後悔するのは全てが終わった後で十分だ。
全てを背負って進もう。例え―――この世全ての悪を担おうとも」
男の覚悟は消えることなく夜空に昇っていく。
全てを終えた時、彼がどうなっているかは彼自身にすら分からない。
だが、それでも彼は止まることなく修羅の道を歩き続けるのだ。
例え、辿り着く場所が―――絶望の底であったとしても。
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