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ハンバーガー
5部分:第五章
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なっていたか」
「そのかわりにいつも深夜に大きなトラックが店に来まして」
「うむ」
「そこから肉を運んでいました。それで」
 ここでハリスは懐から何かを出してきた。見ればそれは一枚の写真であった。
「これを御覧下さい」
「証拠写真だな」
「そうです。その入手した肉のものです」
 こうホージーに語る。
「私はこれを密かに撮った際思わず声をあげそうになりました」
「ほう、君がか」
「信じられませんでした」
 蒼白な顔のままで述べる。普段の彼女からは想像もできない有様だった。
「まさか。こんな」
「だが。この写真が何よりも雄弁に物語っている」
 それでもホージーは言うのだった。しかしその彼にしろその表情は強張っている。その顔で向かい側のソファーに座る二人と写真を見ているのだ。
「これが証拠だ」
「人の腕がですか」
 見ればその写真に映っているのは人の腕だった。冷凍された腕、それに詳しくは見えないが他の部分も見えている。偶然ダンボールから出てしまっていたのだ。
「そうだ。これを見て否定はできないな」
「ええ。それに」
 ハリスはさらに言う。
「今度は何処に行くのかとか。どういった『素材』がいいかとか」
「『素材』か」
「子供がいいと話していました」
 戦慄さえ彼女の顔に浮かんできていた。
「これは録音もしています」
「そうか。では確実な証拠になるな」
「はい」
 強張った顔のままでホージーに答える。
「信じられませんが」
「信じられなくとも事実だ」
 ホージーはこう述べてから今度は医官に顔を向けた。その強張った顔で彼にも問うのだった。
「それでだ」
「ええ」
「分析結果はどうだったか」
「その肉ですが」
 彼は単刀直入にそれを言ってきた。やはり蒼白の顔で。
「人のものでした」
「そうか、やはりな」
 ホージーは彼の言葉を聞いて頷いた。予想していたような顔で。

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