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東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
episode2:その異変は唐突に
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その規模を知らせる。
 山を消し飛ばすその破壊の嵐は、遂に大地へと放たれた。


「ファイナル──!スパァァァァァァァァァァァァァァクッ!」


 ──巨大な光の柱が、景色の一端を埋め尽くした。

 柱は更に右へと薙ぎ払われ、今まさに人里に侵入しようとしていた妖怪達を焼き尽くす。
 何とか躱した妖怪達も、柱に伴って高速で降り注ぐ星々の雨に撃ち抜かれた。

 暴力的な迄のその力は、しかし同時に美しかった。

「霊夢っ!」

「分かってるわよ!『封魔「退魔妖幻大結界」』ッ!」

 ヒメノにとっては聞き覚えの無い名前だったが、どうやら原作では登場しないスペルというだけであったらしい。
 突如、人里を囲うように出現した光の輪がその光を上へ上へと伸ばしていく。弧を描くように人里中心上空へと集まったその光は、結合すると共にその全貌を明らかにした。

 半球ドーム状の結界。大妖怪すらも侵入が困難なその結界は、今や人里全土を覆い隠していた。

「……流石に、コレの維持は疲れるわ」

「流石の結界だな。コレ、地中にも通してんだろ?」

 不意に聞こえたその声に空を仰ぎ見ると、そこには箒に跨った魔理沙が浮遊していた。

 ……白か。いやなんでもない

「地中に潜る妖怪なんてゴマンと居るしね。それより魔理沙、今回ばっかりは私も出れないから、さっさと元凶見つけて叩きのめしなさい」

「了解だ。任せろ」

 軽々とした動作で箒から飛び上がった魔理沙は、そのまま足で箒に着地すると、何時の間にやら箒に着けていた八卦炉から蒼い火を吹き出した。「ブレイジングスター」……とは行かないだろうが、恐らくはその移動特化版だろう。

「……何突っ立ってんのよ。さっさと行きなさい」

「アッハイ」

 反射的に答え、非常に不機嫌そうな霊夢から逃げるように人々の後を追う。確か人里には妖怪が襲撃してきた時用のシェルターのような場所があった筈だ。恐らくはそこに逃げたのだろう。

 ……ってか、今更だけど幻想郷含むこの世界には本来、日食の概念は存在しないんだよね?アレ?元凶何で日食知ってんの……?

 ……。

『この幻想郷では常識に囚われてはいけないのですね!』

 ですよねっ!




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