第十七話
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ちゃんと絵さんくらいが限界らしい。
確かに、言われてみれば相手を見せた夢の通りに殺すことが出来、しかもそれを連発してくるようなテン。それはもうたくさんの人を死に追いやった病気『黒死病』の名前を持ち、しかも魔女でもあるティア。この二人にロアになりたてまだ何もできませんの俺が対処するのは難しいだろうけど。
「え、でも絵さんって大抵どこの学校にでもある『音楽室の作曲者の絵が〜』系だし、スズちゃんだって一種の神隠しなんだから、カミナにはまだ早いんじゃない?」
「確かに、言われてみればその通りですね……カミナ君がこれまで生き残ってこれたのは、奇跡としか言いようがないのかもしれないです」
どうやら、絵さんと鈴ちゃんも無理だったようです。知名度がそのまま力になるって点では確かに絵さんは強そうだし(常に変顔、って要素でマイナスされてないだろうか?)、鈴ちゃんだって『入れ替わる』という形だけど神隠し。ついでに金縛りもできるような人材だ(一番重要な要素がまだできてないっぽいんだけど)。俺にはまだ荷が重い相手……なのか?
「若干釈然としないのですが」
「まあなんにしても、アンタがこれまで生き残ってこれたのは一番最初にあたしを攻略する、とか言う無茶無謀に成功したおかげよ。感謝しなさい?」
「どうもありがとうございます天樹さま。どうかこれからもお守りください」
とりあえず、思いっきりへりくだってみた。と、その時俺は夢を見た。
その夢は、とても単純なものだった。すぐ隣の少女が俺の死角から何かを突き刺し、そのまま死亡する。
完全に死角、その上うつぶせに倒れたから、何をされたのかをはっきり認識することもできない。
そして、完璧な角度、タイミングによって誰一人としてそれを見たものはいなかった。
「なーに主人公がなっさけないこと言ってんのよ!」
「うおっとぉ!?」
本気で避けた。かなり本気で前に跳んだ。ノーモーションからここまで跳べるものなのか、と驚くくらい前に跳べたんだけど、ついでに若干無理な動作だったのか足がいたかったけど、でもそれよりも。
「本気で殺しに来ないでくださいよ、テンさん!?」
「大丈夫よ、ちゃんと知っていれば避けられるタイミングにしたはずだから」
「確かに避けられましたけど、問題はそこじゃなくてですね!?」
「なによ、ちゃんと活入ったでしょう?」
「超ド級の冷や汗と共にな!」
さすがに本気で殺すつもりはなかったんだろうけど、とはいえそれで済ませていい問題でもないだろう。……いや、そうでもなかった。割と普通の日常だ。むしろ避けられる分、普段の傷跡も何も残らない激痛よりはましかもしれない。
「しっかりしてくださいね?カミナ君」
「ティア……」
「カミナ君
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