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英雄は誰がために立つ
Life21 蠢く者達
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死亡したと伝えられたそうだ。
 

 −Interlude−


 此処は禍の団(カオス・ブリゲード)の隠れ家の一室の屋根裏部屋。
 そこにはアサシンこと、百の貌のハサンがいた。
 顔には白い髑髏の仮面を付けているが口元から察するに、屈辱に震えていた。
 Mr.TEAの技術力により大破なら兎も角、破損程度なら宝具を修復できるようになったので、ハサン自身の宝具も完全に修復してもらったのだ。
 そしてこれにより、中枢である本体が無事なら何度でも修復可能と言う事も判明した。
 しかしだからと言って、捨て駒扱いにされるなどと言うのはプライドに障るモノだ。
 しかも百の貌のハサンは、歴代の暗殺教団教主の中で唯一、肉体改造もせずに山の翁になった異例の存在である。
 多重人格を用いて、様々な状況における任務を完全に熟して来た万能の暗殺者が生前の彼だった。
 それが今では作戦のためとはいえ、一種の奇跡ともいえる宝具をいくらでも修復できるからと言って、使い捨てにされるのだから堪ったモノでは無かった。
 近いうちにマスターからの梃入れが無ければ、契約関係が破綻する事は想像に難くなかった。
 キャスターとの契約のペナルティーに焦っているレヴェルに、その事を考えている余裕があればの話だったが。


 −Interlude−


 百の貌のハサンが居る屋敷とは別の屋敷の廊下を、緑色の外套を揺らすアーチャーことロビンフッドが歩いていた時の事だった。

 「ちょっとお話聞かせてくれないかしら?そこの色男さん」

 廊下の壁を背にして凭れ掛かっていた黒歌が、組んでいた腕を解いてから怪しげな瞳でロビンフッドを止めた。

 「何だいお嬢さん?俺以上の男なんてそこら中に居るだろう?帰った、帰った」
 「別に喰う気なんて無いわよ。ただ、聞きたい事があるだけニャン」

 語尾に♪が付きそうな声音だが、目が笑っていない事は一目瞭然だった。

 「話にもよるな。これでも雇われの身なんでね」

 しかし、ロビンフッドは肩を竦める様に動作をするように、自分のペースを崩さずに対応する。
 如何やら黒歌の反応に合わせる気は無いようだ。

 「幻想殺しを如何して狙うのかしら?」
 「オイオイ、本音で言えよ?『御主人様を狙うとは如何いうつもりよ!?』じゃねぇのかい?」
 「ニャ!!?にゃんでそれを!」

 黒歌は、思わぬカウンターパンチに怯む。

 「おたくらの行動は何かと無駄も置い以上に目立ち過ぎだ。なら、それなりに情報先も多いだろうさ」
 「クッ!」

 ロビンフッドの皮肉に黒歌は、下唇を噛んで少し悔しそうにする。

 「それと先の質問の答えだが、守秘義務なんでな。悪いが答えられんよ」

 門答はこれで終わり
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