第五十一話 激闘
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「さて、次はこっちからだ」
オークのザオリクで復活させられたキメラが嫌な笑いを浮かべながら、ベギラゴンを唱えた。
「マヒャド!」
マヒャドを唱えてキメラのベギラゴンを何とか相殺する。そのままキメラにメラゾーマを唱えようとした時だった。
「ミレイ!」
「えっ?」
ジョーが叫んだ意味がわからず少し呆然としていると、オークの槍が私を狙っているのが目に入った。
やばい!このままじゃ串刺しにされる!
咄嗟に私は後ろに飛ぶことで辛うじて槍を避けた。
「ありがとう、ジョー」
ジョーが叫んでくれなかったらあのまま私は串刺しになっていた。
「礼なら戦いが終わった後にしろ、ミレイ」
ジョーはそう言ってメタルキングの剣を構えて、オークとキメラに向かい合った。
「そうだね」
私は息を整えると、キメラではなくオークにメラゾーマを放った。メラゾーマがオークにぶつかって、オークが呻き声をあげた。
傷ついたオークにキメラはやれやれといった感じでベホイミを掛けようとしたその隙に、アベルがキメラにバギクロスを唱えてキメラを切り刻む。
更にマーリンがベギラゴン、メッキーが凍える吹雪でキメラとオークに全体攻撃をした後、ピエールとジョーがオークにトドメを刺した。
「く……そ……が」
そしてキメラも、最後に毒づいて消滅していった。
「これでまだ前座とは……」
マーリンが汗を拭いながらポツリと言った。
「確かにあの2匹は強かったけど、あいつらを倒せたんだからきっと親玉だって倒せるよ」
私は励ますように言ってから、ホイミンちゃんと皆の手当てをした。
*
「どうやら、あの2匹がやられたようですね」
青白い炎が光源の、薄暗く瘴気に満ちた部屋。そこでアベル達の戦いの一部始終を見ていたゲマはジャミに言った。
「申し訳ありません、ゲマ様!あの2匹はかなりの精鋭のつもりだったのですが……」
跪き、許しを乞おうとするジャミにゲマは優しく笑いかけた。
「気にする事はないのですよ、ジャミ。
キメラはともかくオークの方は、魔法の適正がない魔物にどこまで魔法を使えさせられるかの実験体。代わりなどいくらでもいるのです。
使い捨ての駒よりもあなたは自分の役目を優先させなさい」
「はい、わかりました。ゲマ様」
ジャミはゲマに敬礼した後、自分の持ち場へと戻っていった。
「さて、そこのゲバン大臣」
ゲマの黄色い瞳に見られたゲバンは「ヒッ」と怯えた声を上げた。
「あなたは今回のグランバニア襲撃に関しては本当によく役立ってくれました」
ゲマは柔らかい声色で言葉を紡ぎながら、ゲバンの青褪めた?をゆっくりと指で撫でる。
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ