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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第206話 ファントム・バレット
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事を シノンは何処かで納得する事が出来ていた。
それを感じ取ってなのか、或いは偶然なのか。リュウキとキリトは同時に両方の拳をつきだした。2人であれば、片方だけで十分だが、今回は3人だ。……3人で戦い、そして勝利を得たのだから。
シノンもその意図を察し、へカートを自身の肩に立てかけ、両拳を突き出し、キリトの右拳、リュウキの左拳へと、こつん……と当てた。
「終わった、な」
「……ああ。随分と長く感じた。……久しくなかった感覚だ」
2人は、両拳をおろしながら呟き、そして 2人共がこの世界の空を見上げた。シノンも軽く微笑みながら、つられて空を見上げた。
いつの間にか、この世界全体を覆っていた大きな雲が切れているのだ。……大きな雲が隠していたのは、……この世界の星々だった。
この世界は最終戦争の影響で、常に厚い雲に覆われていた。日中は長くみてると憂鬱とさえ感じる黄昏色が消えず、夜空でさえ、どこか濁った血の色にさえ見えていた程だ。
シノンは、その空を眺めながら思い返していた。
――……街の長老NPCが、言ってたっけ。……いつか、地の毒が浄化されて、白い砂へと還る時に雲が消えて、……こんな空が見えるって。
そして、更に考える。もし、毒と言うのが かつて彼らが戦ってきたあの世界での毒。……殺人者達であり、それを倒した事で、この世界の毒をも連鎖的に払ってくれたのではないか、と。
だが、それはあくまで当て付けだ。2人が来るよりも前からこの話はあったのだから。
だから、本当はこの砂漠は普段プレイヤー達が彷徨っている荒野ではなく、遥か未来。……この世界の毒とやらが、浄化された世界、約束の地であるかもしれない。
美しい夜空を眺め、シノンはしばらく言葉を失っていた時、キリトが口を開いた。
「そろそろ、大会の方も終わらせた方がいいんじゃないか?」
ため息を軽くつきながら、そう言うキリト。……勿論、それには理由があった。リュウキも大体判っている様で、同じくため息を吐く。
「……だな。これだけ、囲まれたら 急かされているようにも思えるよ。……ったく、こっちの気も知らないで」
リュウキの愚痴を訊いて、シノンも改めて自分たちの周囲を見た。
そこには……これまでとは比べ物にならない程の数の中継カメラが浮遊しているのだ。 どんな角度の、どんな攻撃も全てを記録する。と言わんばかりに配置されたカメラ。ふよふよ、と浮かび、飛び回る動きは まるで、リュウキが言う通り 『さっさとやれー!』『戦えーー!』と急かされている、煽られている気分になってくるのだ。
「……確かに、ね」
シノンは、口元に手をおいて、軽く吹く。心から開放された、そんな気分だった。だからこその
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