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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第206話 ファントム・バレット
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光があるのだから。畏れるものは何もないのだから。
持ちいる全てを解放したリュウキのその速度はまさに光だった。いや、その光を、光速を超え、己の姿を形成するアバターがその速度に追いつかないが如く、ノイズが生まれた。その速度は、死神の鎌がリュウキの頭を穿つよりも遥かに早く容易に 未だに笑みを浮かべているであろう死神の眉間へと突き刺した。
この世界で何度も使ったナイフだが、あまりの速度で、正確に眉間に刺さった為、殆ど感触らしい感触はなかった。ただ 何もない空間にナイフを向け、突き立てた。程度にしか、リュウキには感じられなかった。
その一撃は、ただ死神の眉間に刺さるだけではないく、まるで至近距離で大砲でも直撃したかの様に死神の身体が吹き飛んだ。その眉間には ナイフが刺さったままである。吹き飛んだ身体が五体満足に存在している事が不思議な程の光景だった。
数mは吹き飛んだであろう身体は、転がりながら、最終的に仰向け、大の字になり、星の少ないこの暗黒の空を仰いでいた。もう、ピクリとも動かない。……敗北をした事を判っているのか、判っていないのか。それは、離れているリュウキには判らなかった。
そして、リュウキの前髪にあの死神の鎌が触れたのだろう。数本の銀髪が、切り離され この世界独特の匂いを持つ風に煽られ、飛ばされていく。丁度、死神が倒れている場所へと。
「く、くく……、くくく……こんかい、は所詮、前座……さ。お前らが、2人で、 1人である様に……オレも……同じ、だ……」
もう、HPは殆ど残っていないだろう。不気味な声だけが周囲に響いていた。この世界にまだ、命が残されているその瞬間まで。
「覚えておけ…… しに、がみは……あの
男
(
・
)
と、ともに、ある……。まだ、終わらない、……終わらせない。お前らを、おれ、達がかならず……」
その言葉が最後だった。
アバターの間隙内に浮き上がった【DEAD】のタグが、この死神、
赤羊
(
殺人者
)
と言うプレイヤーの活動を完全に停止させ、その言葉を遮った。
全てを訊いていたリュウキは、ゆっくりと その死体となった死神の下へと歩き、そして見下ろした。その白い眼は、当然むき出しになっており、その表情は笑みさえ見て取れる。……【DEAD】と言うタグが無ければ、すぐにでも起きてきそうな感覚がする程だ。
が、それでも その白目の奥にあった濁った瞳はもう存在しない。……もう、この場所にあの男はいない。最後まで苦しめた死神に、トドメと言わんばかりに答えた。
「……いや、終わりだ。お前も、お前達も。名前がなくとも関係ない。……全てを割り出し、捕まえてやる。……RYUKIの名にかけて、な。《ラフィン・コフィン》の殺人も全
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