暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第206話 ファントム・バレット
[4/13]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
からは死角の位置から伸びる弾丸。
――最後の最後まで、諦めず 闘志を失わない。
彼女
(
シノン
)
の意思。
「
神出鬼没の死神
(
ファントム
)
を討つ、弾丸。……予測線のみの弾丸。………だからこれは、死神を黄泉へと返す 幻影の一弾。《ファントム・バレット》。だなッ!」
リュウキは、彼女の援護を受けながら、掴んだ腕をへし折るかの様に握り締め、捻り上げつつ、引き寄せる。現実であったとしても、手に持つ銃を離してしまうだろう。……死神は、
短機関銃
(
スミオKP/-31
)
を堪らず離すと同時に、己の銃 デザートイーグルを反対側の手で引き抜き、至近距離で構えた。
そのガラ空きの腐った脳髄を吹き飛ばす為に。
だが。
――……死神を、舐めるな。
言葉にならない裂帛の気合、いや 凡ゆる負の感情を込めた殺気をリュウキは全身に感じた。
この世界は、所詮は数値で定められている。
命
(
HP
)
も数値であり、ダメージ量、命中の補正、……etc あげたらきりが無い。
だが、その中ででも不確定要素だが、精神の強さが関与する事もあるのだ。……あの世界で何度もあった事だからこそ、判る。
その現象が 死神にも現れたのだ。動転しているとは言え、あの世界では最悪、最凶とも畏れられたその凶悪極まりない精神力に物を言わせて。
完全に体を崩し 無防備状態にしていると言うのにも関わらず、有り得ない速度で反撃に転じてきたのだ。 死神に残された最後の武器。 あの世界では死神の鎌として恐れられた曲刀、それを彷彿とさせる武器 ククリ・ナイフ。 白い目の中に濁った瞳が現れ、構えたデザートイーグルを弾き返しつつ、お返しと言わんばかりに、頭に突き立てようとしてきた。そして、歪んだ笑みが、至近距離に迫る。
だが、この時更なる現象が起こる。シノンの
援護射撃
(
ファントム・バレット
)
よりも驚く現象が起きたのだ。
死神の腕を強く握り、極めていた筈の手が、何者かに操られる様に、ひとりでに動いたのだ。……その手は、その緊張故に、寒気さえ わき起こす、この戦場で温もりを与えてくれていた方の手だった。
リュウキは、この瞬きすら許されない刹那の時間帯だったが、悟った。
――よく知った誰かの手が包み、温め、導く。導く先は胸元の鞘に収めているナイフ。
あの剣の世界での決着同様に、この世界ででも、最後は剣で。……己の
剣
(
ナイフ
)
で。
支えて貰いながら 動く手の中にあるひと振りのナイフ。あまりにも頼りない最弱の武器。だが、今はリュウキにとってどんな聖剣よりも、魔剣よりも強いものだった。
そう、あの時も。……そして、今も。自分をみてくれている人が、支えてくれている
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ