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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第206話 ファントム・バレット
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だったから」
過去の話はシノンにとっては、心の闇。……心の傷。
だけど、こうやって振り返っても、もうあの男は現れない。……あの銃も無い。全て、壊してくれたから。……封じてくれたから。
「……オレたちも、そうじゃないか? なぁ、キリト」
「うん。オレも思うよ……」
2人の過去の事。それをここまで詳しく話したのは シノンが初めてだったのは言うまでもない。……キリトとリュウキは、誰にも話していないから。……家族にも。
其々の心の底を明かしあった。その事が何処かもどかしさを覚えるが、シノンは直ぐに2人に駆け寄って囁いた。例え 闇を封印してくれたとしても、自分は人見知り。……現実の自分と今の自分は確実に同居しているのだから、その自分が顔を出して、前言撤回をしかねないから。
「……私の名前は――朝田誌乃。住所は――――」
住所の全てを訊いた時、リュウキの脳裏に彼女の名前が染み込んだ。《朝田誌乃》と言う名前に、だ。
そう、ごく最近に、その名字を訊いた覚えがあるからだ。
あの時
(
・・・
)
は、下の名前までは言ってなかったから、定かではない。だが、心の闇と、あの時の瞳に感じた懊悩。一致している面が多すぎた。
そして、キリトも驚いていた。だが、理由はリュウキとは違う。
「驚いたな。オレが今ダイブしているのは、千代田区お茶の水だし」
「え? ええ!? 目と鼻の先じゃない」
いくらなんでも近い、とシノンも仰天していた。
「はは…… これなら、いっそログアウトしたら、オレ達がそのまま駆けつけたほうが早いかもしれないな。って、リュウキの家からの方が近いか。バイクなら、車よりも早いと思うし」
「っ……」
シノンは思わず口を噤んだ。来てくれるの、と先ほども思って、声を上げそうだったから。今回はしっかりと言うのを我慢する事が出来ていた。
「ううん。大丈夫。近くに、信用できる友達が住んでるから……」
シノンはそう返事を返した。
この中継を見ているであろうシュピーゲル。新川恭二。開業医の次男坊だ。……今日の中継をどこまで見たのかは判らないが、思わず 目の前の彼に(アバターは女そのものだが)抱きついているシーンを見られていたとしたら、どうやっていい訳をすればいいか、と頭を悩ます問題となってしまっているのだ。
だけど、ちゃんと説明はしなければならないだろう。……期待をさせてしまった自分にも非があるのだから。
「それにさ。……その人、お医者さんちの子だか「っっ!!!」 っ?? どうしたの??」
暫く考え込んでいる様な仕草をしていたリュウキが突然顔を上げた事に、シノンは思わず驚きを上げていた。
この時、シノンは もしかしたら自分に何か危害が加えられて
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