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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第206話 ファントム・バレット
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死神の至近距離にまで接近したのは鬼。……否、リュウキだ。
リュウキは、
何もない
(
・・・・
)
空間に手を伸ばし、掴む仕草をしていた。
そう、傍から見れば、パントマイムの様に思えるだろう。……だが、それは一瞬だった。
リュウキが握った場所、その場所にまるで、空間にノイズが走ったかの様にねじれ曲がると当時に、リュウキが握っている部分が見えたのだ。
握っているのは死神の腕だった。そして完全に透明になっていた死神の銃もその姿を現していたのだ。
「馬鹿、な……。いったい、なぜ……? なぜ、判った……?」
さしの死神も、この状況だけは、相手が相手だから。……異常な使い手であり、あの世界での最凶の男だから、と安易に飲み込む事が出来なかった。この死神の見えない攻撃。
これまで、数多のスキル。システム外スキルを要いて来た死神だったが、この《ステルス迷彩》を使用した攻撃が真の奥の手だったから。
自らの身体を、姿を透明にする
装備
(
マント
)
《メタマテリアル光歪曲迷彩》とは また一味違うのが、この装備。
あのマントは姿を消し去る事ができたとしても、地に足をつけて移動する以上、いや 例え樹海エリアの様な場所で、歩いたり、走ったりせず、木々を利用し移動をしたとしても、移動痕跡は必ず残る。歩き、走れば足音が鳴り、木々を利用すれば、枝が、葉が揺れ痕跡を残す。
様々なエリアが入り組んだこのステージにおいては 決して絶対無敵 とは言えない。注意深く見れば、その音響で バレる可能性が高いからだ。……そして、一度でもバレてしまえば、完全に警戒され 対策も立てられるだろう。それが、今回のリュウキやキリト、シノンが取った行動だった。砂に周囲が覆われた砂漠エリアでは絶対に足跡が残る。ただ、立っているだけでも 重力がある以上、柔らかい砂が 足を取り込み、位置が完全に判るだろう。
……特にあの世界、SAOを生き抜いた2人であれば、その位見抜くのは造作もない事だろうから。
だが、それでもこのステルス迷彩は違う。
揺らめくマントに注意を引き付け、そして 警戒をしている所で、有り得ない方向から攻撃が来る。……離れれば、構えてもない(厳密には構えているが)場所から銃弾が飛び、接近すれば まるで鎌鼬にあったかの如く 身体を切り刻まれる。
一見する程度じゃ 見抜けないだろう、と踏んでいた。案の定 鬼でさえ、1度目、2度目と攻撃が当たったのだから。
「銃弾は、放たれた方向から必ず飛んでくる。……グレネード弾でもない限り、銃弾で跳弾は出来たとしても、曲射など出来ない。その線の延長上に 必ず発射された武器があるんだ。……如何に素早く撃った所で、腕を伸ばし、オレに向けている以上、マントの中で隠
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