修行の賜物
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戦恐くなって足腰立たなくなったぁ!?棄権したって良いんだぜ!?」
イラッ、俺の中で何かが切れた。いつもは相手の挑発に乗るような真似はしないのだが今回に関しては疲れているせいもあってか慎二の一言一言が癇に障った。
一言言い返してやろうと思い、口を開きかけた時だった。
「口が減らないのは相変わらずだなお前。もう少し言葉数を減らしたらどうだ?少しはその小物臭が消えると思うんだがな」
ふと俺の顔の隣でセイバーがそう返した。すると、格下のマスターのサーヴァントに貶されたことがよっぽど気に入らなかったのか、慎二の表情は怪訝なものへと変わった。
その時、
「何時化た顔してんのさ慎二ィ!こういう時は思いっきり笑ってこう返してやるんだよ!僕は一流の魔術師であり、一流の悪党だってな!」
慎二の隣にいたライダーが前に出て、二丁拳銃を取り出す。ライダーの表情には一切の曇りも焦りもなくただ笑みを浮かべるのみだった。
「誰が悪党だよ!僕はお前とは違うんだぞ!」
「あっはっはっ、そりゃあ悪いね!」
言い終えると銃をこちらへと構え始めた。
「ところで慎二。あの二人はこの場で殺るのかい?」
すると、慎二は両手を組んでこう宣言した。
「当然、やっちゃってよ。ライダー」
その言葉にライダーの口元が吊り上がった。
すぐさまセイバーは相手に聞こえない程度に俺に問いかける。
(マスター、この状態での戦闘になるが問題ないか?)
あまり理想的な考えではない為、拒否しようとも思ったが俺の体はまだ十分には動かない。たとえ床に降ろされたとしても無防備な俺に攻撃してこないとも限らない。
結局、選択肢は決まっていた。
(ああ、情けないがここは頼む)
その答えを聞くと、セイバーは静かに頷いた。
「では、ここで潰させてもらうぞ。ライダー!」
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