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衛宮士郎の新たなる道
オープニング Fate/parallel world
第1話 訪れる夜
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う。もっと楽しめる奴とやりあいたいな〜)

 だがそんな奴は少なくともこの周辺には、身内である川神院や九鬼鉄工部門を継いだライバル、九鬼揚羽位しかいないと言うのも理解していた。
 それに誰もかれもそう言う奴に限って、忙しかったりして相手にしてもらえる機会が少なかった。

 (グズグズ悩んでるなんて私らしくないし、とっとと帰って、シャワー浴びて寝るか)

 落ちた気分を無理矢理戻して、川神院に走って帰ろうとした時だった。

 「ん?」

 彼女の視界の上の方――――正確には、ビルの屋上の間を駆ける影を見かけた。
 その影が別の影と交差しあう度に金属音の音が鳴り響いた。
 しかしそれは只の金属音では無い。
 それは武器と武器がぶつかり合う音だった。
 しかもそれは川神学園で生徒同士の決闘で使われるレプリカなんぞではない。
 切り割けば血が噴き出る本物同士だ。
 だが、一般人がこんな事を音だけで判断出来るの訳がない。
 出来るとすれば最低でも一流の武芸者か、よほどの戦闘狂(バトルジャンキー)の2択だけだ。
 勿論、百代は後者である。

 「なんだなんだ?随分楽しそうなことをしてる奴らがいるな!」

 屋上に直も眼を向け続けているだけで、百代は意気高揚していた。
 何せ自分の視力をもってしても、ビルとビルの間を飛び交う影の輪郭がおぼろげにしか見えないのだ。
 たったこれだけでビルの屋上での戦闘も、戦っている奴らのレベルも非常に高い事が分かってくる。
 これでは日々強者との戦闘を求めて病まない百代に、興奮するなと言うのが無理と言うモノだろう。

 「フフフ、もう我慢の現界、だっ!」

 強者に餓えた武神は、今迄とは別の何かとの遭遇に興奮しながら屋上まで一気に跳躍した。
 しかしそこには誰も居なかった。

 「なっ!なんで!?確かにさっきまでは、戦ってたはずなのに・・・」

 百代はあまりの事に愕然とした。
 まずどれ程の強者かとメンツを確認し、あわよくば自分も戦闘に乱入しようと目論んでいた結果がこれなのだから、無理らしからぬことだろう。
 そんな百代を、それなりに距離の離れた別のビルの屋上の給水塔の裏で、赤い外套の人物――――衛宮士郎は盗み見ていた。

 「如何して川神がこんな時間にこんな所で・・・?」

 ここは治安が怪しい親不孝通りで、しかも夜だ。
 正直、彼女の自宅である川神院に送って行きたい気持ちに駆られるが、極力女性に手を上げることを良しとしない士郎としては百代と戦いたくないことに加えて、魔術師の事で彼女を巻き込むわけにはいかないと言う責任感から士郎はその場をから黙って離れる事にした。
 しかし士郎は勿論、百代自身も気づけなかった。
 士郎とは別に、暗がりの闇の一角から
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