オープニング Fate/parallel world
第1話 訪れる夜
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。――――まぁ、兎も角、この件に関しちゃあ俺は手に終えそうにないからしっかり頼んだぞ?」
『はい』
そうして、4月初めの宵の中での九鬼財閥首脳陣の極秘会議は終わりを迎えた。
−Interlude−
キンッ!!
同じころ、川神市の親不孝通りの幾つもの建物の屋上にて、人世に知られぬ戦いがあった。
「キキ」
2つの影が幾度もぶつかり合う様に、互いの得物が衝突するたびに夜の街を一瞬だけ照らす火花が起こる。
「フンッ!」
一方は赤い外套に身を包み、髑髏の仮面で面貌が分かりづらくなっている人物だ。
両手の指の間に挟むように、投擲用の剣である黒鍵を使い、相手へ先程から投擲している。
もう一方は黒い外套に身を包み、こちらも髑髏の仮面を付ける怪人だった。
しかし赤い外套に身を包んでいる人物とは異なり、その怪人の体中を黒い霧の様なモノで包み込まれているのか、姿かたちが少し見づらい。
投擲されてきた黒鍵を、左手に持つ短刀をこちらも投擲して防いだり、持ち前の身体能力で器用に躱していた。
しかし一度、大きく空に向かって躱したのが不味かった。
いつの間にかに赤い外套に身を包んだ人物は、先程までどこにも持っていなかったはずの黒い洋弓と弓矢を使い、黒い外套の怪人に狙いを定めていたのだ。
これに一か八かの対処として、ダークの投擲に自分が被っていた外套を相手に向かって投げ捨てた。
ダークは牽制で、外套は目くらましとしてのモノだ。
だが赤い外套の人物の射には、何の影響も及ぼさなかった。
彼の中では既に命中しているのだから。
「ガッ!?」
心臓に。
致命傷を負った黒い霧に包まれた怪人は、その場に最初から居なかったかのように、魔力の滓になって消えて行った。
「ふぅ。今日も何とか片付いたか」
赤い外套の人物は、一息ついてから黒い洋弓を消した。
そこへ殺気と戦闘意欲を滾らせている誰かが、下からこの屋上に上がって気配を感じた。
その誰かとは――――。
−Interlude−
「はぁ〜〜〜」
黒髪の美少女、川神百代は、自宅である川神院に帰るために親不孝通りを抜けるところだった。
何時もの彼女は、本来ならこの時間帯にこんな場所に居ないのだが、戦闘狂である彼女にこんな時間帯に果たし状が書かれているんだからそれに応じるのが彼女だった。
だが蓋を開けてみれば何時もの様に一撃で沈んでしまった。
確かに戦いは好きだが、もっとワクワクするような相手との戦闘がしたいと言うのが本音だった。
(加減しても簡単に終わるし、ある程度強くてもちょっと本気出せばどちらにしても一撃で終わってしま
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