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衛宮士郎の新たなる道
オープニング Fate/parallel world
第1話 訪れる夜
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なので、ただ魔術を修めているだけでは駄目なのです」

 帝の疑問にあずみは答えたが、結局打開策に成るような内容では無かった。

 「お前らの事だ。俺に話す前に九鬼の従者部隊の全員も一応調べてるんだろ?」
 「いえ、既に完了しております」

 つまり、魔術師としての才能があるモノは皆無の上、魔術師その者も居なかったと言う事だ。

 「これからは外部にも目を向けようと思っています」
 「具体的には?」
 「川神院の鉄心に話を聞こうと思っております。あ奴は魔術師ではありませんが、魔術師が実在している事は把握しておりますので」
 「他も手あたり次第に当たります。無論、魔術師の実在を知っているのは少数なので伏せながらですが・・・・・・」
 「手あたり次第・・・か。だが藤村組は無理だろうな。まぁ、俺が悪いんだけどよ」

 藤村組。
 関東圏に絶大な影響力を持つ極道の組織である。
 こう言われてしまえば、関東圏内の民間人は藤村組を日々恐れている――――なんてことは無く、寧ろ地元では非公式的な第2の警察とまで言われている。
 事実、地元で何かしらの事件で被疑者の捜索を行う上で、人手が足らない時に地元の警察署から応援を頼まれるほどの信頼を勝ち取っている。
 最初は小さな組織だったが、いたずらに暴れまわる他の極道の組織を併呑していき、当時の組長であった藤村雷画の人心掌握術と圧倒的なカリスマ性で完全に統率していき、少しづつ反逆の目を潰しても言った。
 そうして地盤を固めていったが、当時は華族である名家に成りあがりの不良崩れと陰口を叩かれていた。本人たちは全く気にしなかったが。
 そして今では、日本全国の地主・大地主や各地方の有力者とも横の繋がりを太くしていき、世界の川神や成り上がりの大企業九鬼財閥と日本国内限定では渡り合えるようにまで成長していった。
 しかし約半年前、九鬼財閥の従者部隊の30番台の1人の男が川神で腰を据えて行うプロジェクトを秘密裏に知り得た。
 そこでさらに出世をするためにと、功績を上げるためによりにも拠って藤村組の弱みを探り始めた。
 男は入社してから長い間ずっと欧州の支部で働いていた事もあって、ここ日本の何たるかには鈍く、藤村組も民間人を危険にさらす程度の組織位の認識しか持っていなかったのだ。
 しかし中々外からでは見つけられずに、遂にしびれを切らした男は、藤村組の中枢とも言うべき藤村邸の中に潜入したのだった。
 従者部隊30番台と言う自信を持っていたがために、この危険な賭けにも勝ち得ることが出来ると考えたのだ。
 しかしそれは誤りだった。
 藤村組は鈍物の集まりでは無い。規模では負けるモノの、1人1人の組員の腕っぷしの練度では寧ろ勝っていたのだ。
 それ以前に、その男が藤村組を嗅ぎまわっていた事は既
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