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百合の軌跡 ー全身網タイツのくのいち少女ー
百合の軌跡
第2話 美しい光の糸
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☆☆☆

スノウ「もしかして、貴女……自分の戦闘スタイルを気にしているの?
迷惑なんじゃないか、って?」

シオン「っ…!?」

スノウに図星を当てられ、同様した私の目は泳ぎ、少し身体が震えてしまう。

このスタイルを今まで続けていると、他の冒険者が大怪我をした時に私を罵倒することなどもあった。
それでも私が生きていくには、"あの子たち"のために稼ぐには、私にはこの戦闘スタイルしかなかったので…他の冒険者が倒されようとも、申し訳ないと思いながらも今まで気丈に表情を隠して生きてきた。

☆☆☆☆

スノウ「なるほどね…。」

一瞬怯えたシオンを見て、私は彼女の過去に思いを馳せる。

冒険者となったシオンが、モンスターと戦う中で自分なりに選んだ戦闘スタイル。
そのスタイルと性格ゆえに野良で疎まれ、信頼できるパートナーや仲間に恵まれなかったのは想像に難くない。
それならば、彼女が表情を押し隠していたのも頷ける。


スノウ「ならやっぱり、私たち…パートナーになるべきだわ。
私には貴女が必要。
私一人ではこの先、どこまで危険なく進めるかわからないもの。
そして、それは貴女にも言えること。」

一度、私は言葉を区切る。
最大の効果を得るために…。

スノウ「きっと私たち、上手くいくわ。
ううん…きっと、じゃない…絶対、よ。」

☆☆☆☆

スノウ「……えっ…?」

私の戦闘スタイルを目の当たりにした彼女…だから今回もまた、パートナーを断られると思っていた。


スノウ「こ、こんな私が…必要…?」

でも…待っていた言葉は違ったもので、私に優しく言葉を紡いでくれるスノウ。

シオン「っっ…。」

そしてスノウの最後の言葉に…私は胸をドキッとさせ、無表情だった表情がゆるんで少し瞳を潤ませる。
優しそうな瞳でスノウは私を見つめていて、私は恥ずかしそうにして眼を逸らす…こんな優しい言葉を私にかけてくれた人は久しぶりで。


シオン「し、仕方ないわね…これも何かの縁だし、貴方のパートナーになってあげる。
……これからよろしく…スノウ…。」

無表情だった彼女の表情は…頬は赤く染まり、少し優しい微笑みを見せていた。
そして、呼び方を貴方から、スノウへと変わる。

☆☆☆☆

頬を染めて微笑むシオン。
私は、そんなシオンの肩をそっと両手で掴む。

スノウ「ふふっ…なら今からパートナー契約、しちゃう?」

シオン「あっ…。」

勿論、彼女に同意を求めたのではない。
顔を彼女に近づけ、二人のおでこを触れ合わせる…するとさらに頬を赤める彼女。

この世界のパートナー契約は少し特殊で、よりお互いの連携を高めるために契約をする形で。


スノウ「パー
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