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異界の王女と人狼の騎士
第六十二話
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られ、有形無形の人体実験を繰り返されるのだと。保護者達にはすでに説明済みで補償も済んでいるという話だった。そしてその実験を生き延びたもののみが開かれた未来への切符を手にするとのことなんだな。
 学園都市の建設に携わった人間に旧日本軍の関係者が多かったのが原因とも言われている。戦後のどさくさで戦犯とされることなく、名を上げた人物が幾人か入っていたからそういう話が出たのかもしれない。
 俺の親父である月人家当主の佐與(さよ)も関係している。ちなみに俺の親父は戦犯扱いになる歳ではないけどね。
 俺たちの高校だけでなく、学園都市自体にもいろんな都市伝説的なものが語られているから、あまり気にならないんだけれど。
 やたらと健康管理のための診察が多いことや、携帯端末のみでキャッシュレスに生活できるこの街の環境から俺たちのプライバシーがゼロに近いといった、いやな部分があると言えばあるんだけれどね。
 うーん。
 そういえば、入学に際してやたらと寮へ入ることも勧められたな。どうして外で暮らすのか納得できる理由を聞かないと承認できないとかいろいろ担当者に言われた。
 実際、自宅から通える生徒以外は寮に住んでいる。自宅から通えるのに寮に住んでいる生徒もいるくらいなんだ。いろいろとメリットがあるらしい。
 俺が外に住むことが出来たのは月人家という名前のおかげのようだ。かなり学校と揉めそうになったんだけど、担当が上に相談した途端、OKがでたもんね。
 あれはいまだに何だったかわからない。

 まあ、兎に角???。

 こうした都市伝説が出てくる原因のもう一つは、うん、こちらのほうが大きいと思うんだけど、学園都市建設地が、山間の集落が点在するど田舎で、戦前、原因不明の災害により焦土化し多くの犠牲者を出したというところかもしれない。
 原因については、昔のこともあるし、おまけに超がつくほどの田舎であったこと、また生存者がいないということから、今でも不明のままだ。まともな現場検証すらできていないようだ。 
 オカルト的な話と残されているのは、災害による所有者の死亡により、所有者不明になっていた土地が戦中戦後のどさくさで名義がいつのまにが外国人のものに変更されていたことと、学園都市誘致合戦において様々な有形無形の力を暗部で働きかけたとある団体が存在していたという話があることだ。その団体の構成員を調べると、不思議なことに学園都市の用地所有者でしめられていること、そして、かなりの額の税金、数十億とも言われている、が用地取得費用としてその団体へと入ったと伝えられている。
 ただ、さすがにこれは結構な問題を孕んでいるということで市民団体やマスコミが騒いでいたんだけれど、団体の中心人物が淫行で逮捕されたり、団体内の不正使用問題が発生したり、新聞社の記者がホテルで滅多刺
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