百合の軌跡
第1話 少女たちの出会い
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スノウ「それに、これを手に入れるの結構苦労したの。
シリーズ防具自体あまり出回らないし、揃ってるのと揃ってないのじゃ戦闘能力が大きく変わってくるのよ?
戦力にならない、そんなことになったら貴方…パートナーに愛想つかされちゃうかもよ?」
私は愛用の小振りなメイスをぶらぶらと振りながら、ちょっと意地悪に彼女へ微笑み。
☆☆☆☆
シオン「っ……そんなことより、その装備を譲って頂戴。
私に出来ることならなんでもしてあげるわ、それでどうかしら?」
金髪の彼女のパートナーという言葉に、私は少し動揺してしまう…なぜなら私にはパートナーはいなく、いつも私の戦闘スタイルのせいで離れていってしまうからだ。
この世界には私を守ってくれる味方はいなく、自分自身のことは自分自身で守っていくことしか術がない…人に関わって傷つけられるのなら、温もりなんていならいとも思っていて。
そんな私は自信を守る強い装備を整えることが出来ないことに恐怖し、彼女に交換条件を提案してなんとか売ってもらおうとしていて。
☆☆☆☆
強気でクールに振舞っていた彼女が少し怯んだことを私は見逃さなかった。
この世界では、二人一組で行動するのが一般的だ。
もちろんソロで活動する冒険者や四人でパーティーを組んだりすることもあるし、大人数での討伐依頼などがギルドに張り出されたりもする。
しかし基本はツーマンセルでの行動が理想的で、ほとんどの冒険者にはパートナー(相棒:バディとも呼ぶ)がいるのが当たり前で。
パートナーという言葉に他の人とは違う反応を感じとり、私はある言葉を口にする。
スノウ「そうねぇ……貴女、パートナーがいないんじゃない? 図星…でしょ?」
シオン「っ…!?
(な、なんで…そのことを…。)」
私がズバリと言い当てると、少し怯む彼女。
初めの笑顔もそうだが、強気でクールに振る舞ってはいるが、時折見せる表情はとても可愛らしい。
もっと、彼女の隠している顔を見たい。
スノウ「……何でもする、って言ったわね?」
シオン「……ええっ、そう言ったわ。」
スノウ「貴女…私のパートナーになりなさい。」
私はにっこり笑う。
彼女が『無表情』でそうするように、私は『笑顔』で本心を隠す。
シオン「……貴方、頭おかしいのかしら? それともバカなのかしら?
どこの世界に今知り合った相手に、パートナーを申し込む人がいるのよ…。」
スノウ「あら、私は本気よ?」
そう、本気なのだ。
私はもっと、この娘を知りたい。
笑顔、動揺、羞恥……。
まだまだこの娘の内側に隠れた表情があるはず。
頬を赤らめながら涎を垂れ流して泣き叫ぶ、そんな彼女の表情を想像する。
きっと とても可愛
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