百合の軌跡
第1話 少女たちの出会い
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フェアリー:別名、妖精の街
現在の場所:妖精の市場
スノウ「うん、見当たらないわね……♪」
冒険者やギルドによるバザー中の市場をぐるりと回り、手の中の『くのいちの腕輪』が他に出品されていないことを確認した私。
スノウ「『くのいち』シリーズ、未強化の腕輪あるよーっ!!」
大声で、私は何度か繰り返す。
くのいちはスキル『感覚強化』があるから、二・三度叫べば聴こえるだろう。
しばらく待つが、通りすぎていく人ばかり……。
☆☆☆☆
スノウから少し離れた場所に、その少女はいた。
シオン「まったく、人が多すぎね……。」
私はあるアイテムを探してバザーへ来ていたのだが、何人もの人が市場に入り乱れてるため、正直うんざりしていた。
私は人が多いとこは苦手…でもソロで活動している私にとっては装備を整えることは重要で。
強い武器に防具を揃えれば自分を強くしてくれて、そして安心させてくれる…そのため、私は自身の戦力強化は怠らないようにしている。
私が探している『くのいちの腕輪』が出品されているかもしれないので、私は人混みのなかを進んで行く…するとバザーの中間辺りまで進んだ時、『感覚強化』している私の耳に女性の声が届き。
シオン「……今、くのいちシリーズって言ったわね。」
シオン「ねえ…『くのいちの腕輪』ってあるのかしら?」
声がした方へ足を進めると、女性の私でも少しドキッとしてしまう金髪の美しい女性の店の前までやってきて。
☆☆☆☆
スノウ「『くのいちの腕輪』? ん、あるよぉ〜♪」
シオン「……ふふっ、そう…♪」
私の前に現れたのは『くのいち』シリーズフルセット……に、一点足りないクールな感じの黒髪の女性で。
私が腕輪を見せてあげると、彼女はくすりと可愛らしく小さく微笑んでいて。
スノウ「へぇ……貴女、随分頑張ってるみたいねぇ…♪」
スノウ「そうねぇ……100万Gでどう?」
私は少し考える素振りを見せてから、彼女に腕輪の値段を伝える。
シオン「はぁ? 私そんなに持ってないし、さすがにそれは高いんじゃないのかしら?」
値段を聞いた彼女は、表情ひとつ変えずに私へとそう言ってきて。
スノウ「ふふっ…高いかしら? でもそんなことないわよ…。
セット防具の効果の高さは知ってるでしょう?」
シオン「僧兵シリーズのセット…。」
私は立ち上がり、自分の全身を包む『僧兵』シリーズを彼女に見せつける。
白を基調にした法衣に胸当てと腕甲、そしてすね当てが銀色に輝く。
ちょっと旧式だが、セット効果の優秀さで長く使い続けることができた装備品だ。
私のシリーズ装備のオーラーに圧倒されたのか、彼女は言葉を失ってしまう。
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