第二章 【Nameless Immortal】
壱 バカばかりの日
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【Nameless Immortal】
ずっと家族が欲しかった。
いや、正確に言うならずっと家族というものが好きだった。憧れの形と言ってもいい。
生まれてから長い間、家は貧しかった。食べるものにも苦労した。自分の言葉としては出なかったけれど、苛立ちに似た感情を周りから感じたこともあった。
父親だった人はお金を稼ぐのが得意じゃなかった。使い方も、得意じゃなかった。
厳しい言い方をされたこともあるけど、仕方のないことだったのだと思う。ずっと我慢できるものでもない。
自分に自信を持てないからこんな言い方になってしまうけれど、大切にされていたのだろう。
お前は大事な自分の子供だと、何度も言われた。可能な限りの教育も受けさせてもらえた。
食べ物も優先して貰えた。これは自分が武芸者だったこともあるのだろう。
体を維持するのに必要だから。力をつけるのにも必要だろう、優秀な武芸者になってくれと言われた。
お金なんてロクにないのに錬金鋼も買って貰えた。武芸の稽古もつけて貰えた。
そのあいじょうがただ嬉しかった。
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