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ウルゼロ魔外伝 GANTZ/ULTRASEVEN AX
日常から再び…
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その感想に多恵は嬉しそうに笑った。
「ヒーロー物なのに少女マンガってヤバイかな?玄野君みたいな男の子が正義のヒーローに選ばれて…」
「昔の俺みたい…」
「え?」
「あ、いや、思い出したんだ。ガキの頃、いじめっ子から弱い奴守ってたんだ」
「そうなんだ…玄野君、かっこよかったんだろうな…」
あまり言われたことのない言葉だったのか、少し照れてしまった。
「その弱い奴にこないだたまたま再会してさ…」
玄野が喋る姿を、多恵はニコニコと見つめた。玄野はいくぶん声を低めて言った。
「やっぱヒーローは悪い奴やっつけねーとな」
多恵の顔がかすかに曇った。口元に歪んだ彼の笑みは彼らしくない表情に歪んでいた。
(弱い奴は逃げていいんだよ。俺はヒーローなんだ。強くなった。ガキの頃に憧れてた本物のヒーローに…)
心配そうな多恵をよそに、彼は鞄の中に納めていたXガンに軽く触れた。偶然帰り道が同じだったジンはその玄野のセリフを聞いたとき、彼も曇った表情を浮かべた。
(悪いからって………)
その時、ジンの横を見知らぬ男が通りすぎた。
「?」
ジンは男を見ると、妙に不自然なヘルメットにまるでにこやかマスクを身につけたような、なんか不気味な男、いや…
「…ロボット?」
ジンは怪しく思ったのか彼をつけてみた。
玄野は多恵を家に送った後、誰かが自分の部屋の前にいるのを見た。
岸本だった。
「岸本…さん?」
「あ…玄野、君?」
彼女は少しぎこちない仕草を見せて言った。
「お水もらえるかな?」
「はい」
とりあえず家に上げて水の入ったコップを渡した。
「ありがとう。あとこれ…」
岸本は玄野の学ランを渡した。ネギ星人の時からずっと借りっぱなしで、ポケットに入ってた生徒手帳に書かれた住所でここがわかったとのこと。
「えと、ごめんね。借りたままで」
「いいよ。スペアがあったから」
改めて見ると、やはり岸本はかわいかった。胸も大きく、性格も悪くないような気がする。つい心の中で「なんだかいけそうな気がする〜(死語)」と吟じたくなるほど玄野の心は高揚していた。
「お願いがあるんだけど…」
「何?」
「今晩、泊めてくれない?」
「…はい?」
玄野は予想だにしない岸本の発言に固まってしまった。
「いいの?私が上で」
コンビニ弁当で夕食を済ませ、玄野は岸本をベッドに座らせ、床に布団を敷き始めた。
「どうぞどうぞ」
愛想よく答える玄野だが、下心がないはずがなかった。
「ごめんなさい…」
ガンツの部屋で見たとき以上にヤバい気がする。わざわざ泊めてくれと言ってきたのだ。「その気」がないはずがない。
「畳とはいえ、床だと背中いたいかもなあ…」
「やっぱり私、下で…」
「あ〜大丈夫大丈夫。上で寝なよ」
岸本に悟られないよう、部屋を見
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