暁 〜小説投稿サイト〜
ベスト・パートナーは貴方だけ
第一章 運命の歯車は回りだす
プロローグ〜追われた少女は、彼女に出会う〜
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るのは彼女の靴に“蒸気強化( スチーム・アシスト)”が付けられているからだろう。
 きっとこの程度の壁は彼女なら簡単に飛び越えられる、そうシャーロットが思っている所で彼女に向かってメイベルが飛んでいき、

「お願いします、私達、追われているんです。助けて下さい!」
「! 人形がしゃべって……もしかして、“機械妖精(スチーム・アンドロイド )”? 何でそんな珍しい物が?」
「私の事はいいです! お願いします、見なれない形ですが剣を持っているって事は、訓練なんかをしている人ですよね!?」
「それはまあ、そうだけれど……追われているの?」
「はい!」

 それを聞いて彼女は何かを考える様に黙ってから、次に悪い笑顔になって、

「いいわね。可愛い子猫ちゃんじゃないって、証明してやる。それに八つ当たりするにはもってこいね」

 そう呟いて、ふふふふと暗く笑った彼女はシャーロットと、その方に座るメイベルの方を見て初めて微笑み、

「私は、アリシア・アップルヤード。何でも屋、アヴァロンで助手をやっているの」
「何でも屋、ですか?」

 そこでシャーロットは、不思議な物を聞いたかのように問いかける。
 それはシャーロットの知らない職業だったから。
 首をかしげる彼女にアリシアは苦笑して、

「そう、何でも屋。だからこう見えても荒事はなれているの。だから、安心しなさい?」
「……ありがとうございます。そういえば名前を名乗っておりませんでした。私は、シャーロット。こちらの、私の“友達”はメイベルです」
「そう。貴方の事が大好きで必死な、いいお友達を持っているのね」
「……はい」

 アリシアのその言葉に、シャーロットは珍しく微笑んでしまう。
 そんな風に言ってくれる人は、シャーロットの周りには誰もいなかったから。そこで、

「ようやく追い詰めた……おや、見知らぬ女性がおりますな」

 そこでひげを生やした、白髪にタキシードを着た初老の紳士と言うべき人物とそして、鉄の塊である二足歩行する彼の二倍の身長もある人形の様な物が大きな音を立てて現れる。
 アリシアが小さく舌打ちして、

「“蒸気機械兵( スチーム・ロボット)”」

 そうアリシアが告げるとその初老の紳士は満面の笑顔を浮かべ、

「その通り! そして、賢明なお嬢さんであるなら、すぐにこの場から逃げるべきだと思いませんか?」
「……生憎、こちらの子達に助けを求められたので、この子達と一緒に逃げていいならすぐにそうさせてもらうわ」
「それは困ります。我々の目的はそこにいるシャーロット、デザイナーズチャイルドなのですから」
「……そう。それであそこにいる人達は、貴方達をお迎えに来た大人ではないのね?」

 アリシアの問いかけはシャーロッ
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