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すればいいんだろう?)」
え? 何の処理かって?
ほら、アレだよ、アレ。
人間誰しも生まれた時から息を引き取るまでお世話になる生理現象で、小があったり大があったりして、我慢は体に毒だったりするアレだ。
具体的にどういう事かと言えば…“催して”きたのだ。
下腹部に締め付けるこの熱い苦しさ。
流れる川を申し訳程度の堤防でこの堰き止める感覚。
冒涜的なほどに主張するそれの名は…………尿意。
「………」
薄暗がりの荷台の中で、右へ左へと視線を彷徨わせる。
上を向けばそこにはズレた荷物が塞いでいる。
畳むようにして体を滑り込ませた体勢は、実に窮屈で立つ事もままならない。
そして……幌で覆い包まれた荷台の中では、外でどれだけの速度で進んでいるのかすらわからない。
「…………」
出られない。
―――え……マジ………?
ふぉ、ふぉおぉぉ〜〜〜〜……!?
―――。
…………人としての尊厳を失う瀬戸際がいつまでも続くかと思った。
だが…自分は耐えた。 耐え抜いた。
とりあえず、漏らす的な事は無かった!
生理現象という“波”を何とか凌いだ自分は、グッ!と達成感に握り拳を作る。
護衛の人や運び人に変な目で見られた。
「とりあえず…何事もなく着いたか」
一息ついて僕は、働く場所となる砦を見上げた。
「ほ〜」
思わずそんな声が出た。
驚くほどではないけれど、その砦は中々“悪くない”造りをしていた。
束ねた丸太を立てるように並べ、簡易的な壁で囲んでいる。
その丸太の壁に囲まれて中心にあるのは頭二つほど抜けて背が高い木造の建物が佇んでいた。
とても簡素に造られた木造拠点ではあるけれど、これは期待が膨らんだ。
石造りの建物の方が防御が高いのでは?、と思うだろう、だがそれは事実でもあり、喜ばしい事実とは限らない。
石造りにするほどの拠点はそれなりの陣地であるため、正規兵が多く詰めている事もある…しかしそこに傭兵の居場所はほとんど無い。
そんな場所で、おまけ扱いな傭兵が寝泊まり出来る場所は限られていて、大体決まって掘立小屋か自前のテントか、場合によっては野宿である。
だが、この木造建築は使われてる石
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