3部分:第三章
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「そういうのはさ。知らなかったんだ」
「そうなの」
「で、あそこでヒッチハイクして戻るつもりだったんだね」
「そうよ。行きはバスだったけれどもうないから」
「遅いからね」
「親には携帯で電話してあったけれど。それでもこのままだと」
「で、俺の車に乗ったと」
「そういうこと」
小夜は頷く。
「御免なさいね、利用して」
「いや、それはいいけれどさ」
隆一は言う。
「本当に幽霊かと思ったよ」
「そう見えたの?」
「それ以外に見えなかったよ」
こう返した。
「ましてや話聞いた後だったし」
「けれど脚はあるわよ」
「まあな」
隆一は幽霊にも脚がある場合があるのを実は知らない。そこまでは詳しくはないのである。
「それで帽子はどうするの?」
「仕方ないから諦めるわ」
顔が苦笑いになった。
「もう見つからないから」
「そう」
「残念だけれどね」
「このまま家に帰るんだね」
「そうよ。ああ、御礼だけれど」
「うん」
「ここのコーヒー代おごらせて。それでいいわよね」
「ええ、それでいいぜ」
話が呆気ないオチだったのでいささか拍子抜けしていたのでそれに何もなく頷いた。それでコーヒー代を払ってもらって小夜と別れた。結局何もないままドライブインを後にしたのであった。
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