生の罪科 2
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世界を造り、愛し、護った女神アリア。
彼女を敬い、崇め、仕え、アリア信仰の教えを広める事が私の役目。
私の使命。
「あー！ クロちゃんてば、また本詰めになってる！ 駄目よ、毎日毎日室内に籠ってちゃ。体に悪いわ！」
「……。」
「そしてまた無視するのね。むぅ……良いわよ、私も勝手にするから。アーレスト！ 強制排出！」
「アイ、マム！」
両脇に腕を突っ込まれ、軽々と抱えられる。
……よくも毎日毎日、飽きないものだ。
それでも本を読み続ける私を、二人も無視して「れっつごー！」などと廊下を突っ走る。
廊下は走る場所じゃない。
「さぁ、見なさいクロちゃん！ この荘厳華麗な中央教会の庭園を！ 広々してて風が気持ち良いでしょう！ 噴水なんてもう、見てたら入りたくなって仕方ないでしょ！？ うずうずしちゃうわね！」
「そうそう！ 見てごらんなさいよクーちゃん！ 空がもう見事なまでに」
ガラガラガラ……ピシャーン！
びゅおおおおおお……バタバタバタ……
「「嵐ね！！」」
すたすたすた。
「「ああ！ 逃げないで！！」」
……この二人は一体、何がしたいのか。
腕が治ってから連れて来られたこの中央教会で、プリシラとアーレストとハーネス大司教、コルダ次期大司教だけがやたらと私を構いたがる。
内密の後見人であるハーネス大司教と、一定の距離を置いて様子を見てるらしいコルダ次期大司教はともかく、二人は猪みたいに突進して来ては反応に困る寸劇を披露しつつ私を巻き込む。
正直、放置しておいて欲しい。
「見ろよ……またあの子供」
「うわぁ。お手本的仏頂面」
「何が楽しくて生きてんだろうな」
部屋へ戻ろうと本を読みながら歩けば、耳に入るのは此方も毎日変化しない噂話。
「アーレストもプリシラも、あんな子供を振り回して何が楽しいんだか」
全くもってその通り。
本当に、何が楽しいのか……
「二人も変人なんだろ。頭の中空っぽそうだし」
「はは、違いない」
ピタ。
「……遠巻きに囁くしかできない貴方達よりは、ずっと賢い方々ですけどね」
「な」
「この……！」
聞こえてないと思ってた訳でもなかろうに。言い返されて怒るくらいなら最初から黙ってれば良い。
此処の人間は不思議だ。何故志を同じくする者を貶めたがるのか。アリア様がそんな事をお望みになっているとは思えないのだけど。
「汚らわしい孤じぃっ！？」
「クロちゃああああああんっ！！」
「クーちゃあああああづぶぶ！！」
同僚を吹っ飛ばして、再び猪が猛進して来た。
とりあえずアーレストは重いので避ける。
床に顔面スライディングしたのは……信徒で結成されてるとかいう彼の応援団に悪い事をしてしまったかな。顔
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