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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第205話 絆の温もり
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、そして 死銃がシノンを襲う、とも限らない。

 あの黒い銃で1発でも撃たれれば、現実世界での共犯者がシノンに手をかける。

―― 一瞬で、良い。このラッシュをブレイク出来れば。

 キリトが懸命に弾きつつ、ブレイクのチャンスを伺っていた時だ。狂気と共に勝利も見えてきたと思ったのか、その死銃の赤い目がキリトを捉え、一際激しく点滅した。


 なぜ、だろうか……。この時、この瞬間。 あの世界(・・・・)での記憶がキリトの中に蘇ってきたのだ。







――……それは、討伐隊が出発をする直前のギルド、聖龍連合での事だ。







 最後のミーティングが行われた。……かつてのリーダーの為にも 決して負けられない、と強い意思と覚悟を胸に秘めて。

 その座上では、《ラフィン・コフィン》の陣容に関する情報が改めて周知されていた。
 その首領たる男《PoH》 No.1と畏れられる《死神》。判っている範囲の戦闘能力とその装備情報。そして 脇を固める幹部たちの武装とスキル、……外見。

 それらの情報が公開されている途中だった。不意に、クラインが自分に、いや 自分とリュウキに声を掛けてきたのだ。

『ったく、なんの因果があったのか。似たような色持ちが揃っちまってよ。お前ぇら。其々の《色》の相手と戦うなよ。どっちを援護すりゃあいいか、わからねぇからな』

 真剣に、真顔でそう言っていた。
 そう、幹部の1人、毒ナイフ使いのイメージカラーは黒だ。名前をジョニー・ブラック。
 そして、もう1人の幹部が、《赤》。

 リュウキと言えば銀色、つまり 白銀をイメージする者が多いだろう。だが、最前線で戦ってきた攻略組達からすれば、そうでもない。《もう1つの色》が、リュウキにはあるから。

 仲間達を守る為、自らの負担など顧みずに 何度も《あの眼》をして、戦っていたのだから。……連中が《鬼》と形容する切欠になった程のもの。










 そして、場面は再び変わる。

 周囲の景色が溶け出し、浮かび上げたのは、丘だ。





 そこは、あの事件、圏内殺人事件の最終地点、と言っていい場所、第19層・十字の丘だ。
 そこで、事件は解決をしたんだったが、それまでがある意味大変だった。……その場所にPoH、そして幹部2人が現れたからだ。


『格好つけが……。次はオレが()でお前らを追い回してやる』


 1人の男が、そう吠えた。
 ジョニー・ブラックではない。……その手には、刺剣(エストック)が握られている。


『テメーはオレとキャラがかぶって(・・・・・・・・)るんだよ。……その眼(・・・)、いつか抉り取ってやる!』


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